(2010年4月13日 毎日新聞社)
アルツハイマー病の特徴の一つとされる脳の
「老人斑(アミロイド斑)」がなくても、
アルツハイマー病の症状が起きることを、
大阪市立大などの研究チームがマウスで実証。
老人斑を抑制するだけでは、有効な予防や治療にならない可能性。
米神経科学会誌(電子版)に掲載。
老人斑は、アミロイドベータ(Aβ)というたんぱく質が
繊維状につながったもの、アルツハイマー病の原因の一つ。
実際の患者の症状の重さと老人斑の数が比例しなかったり、
老人斑がなくても発症するケースがヒトで報告。
富山貴美・大阪市立大准教授(脳神経科学)らは、
患者の脳では老人斑だけでなく、Aβの分子が数個~数十個
集まった「重合体」も蓄積されていることに着目。
重合体はできるが、老人斑はできない遺伝子改変マウスを作製。
8カ月ごろから、Aβの重合体が目立って増えた。
記憶中枢である海馬では、神経細胞が減少し、
平均寿命に近い24カ月(ヒトの80歳程度)では、
普通のマウスの半分近くに。
プール内の休憩場所を覚えさせる記憶テストでも、
8カ月の遺伝子改変マウスは、同月齢の普通のマウスが
1週間程度で覚える課題をこなせなかった。
チームはこうした症状から、老人斑のないマウスも
アルツハイマー病を発症したと結論。
J Neurosci. 2010 Apr 7;30(14):4845-56.
A mouse model of amyloid {beta} oligomers: their contribution to synaptic alteration, abnormal tau phosphorylation, glial activation, and neuronal loss in vivo.
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/4/13/118928/
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