(読売 4月14日)
「分析の結果、御校は算数で底上げが進んでいます」、
「我々の取り組みがデータで確認され、手応えを感じます」
東京都板橋区立A小を訪れた区教委の
溝畑直樹・指導主事(45)と校長との間で交わされた。
溝畑さんが持参したのは、過去3回の全国学力テスト(学テ)
におけるA小の正答率を、区教委が独自分析したグラフ。
「箱ひげ図」と呼ばれ、正答率上位・中上位・中下位・下位の
層別に、推移が分かるようになっている。
基礎を問う「算数A」では、2009年度は08年度に比べ、
下側の「ひげ」が上方向に縮んだが、これは、下位層の学力が
底上げされたという証し。
この時期、習熟度別授業を徹底するなど、
算数が苦手な児童に対する指導を強めたことが報われた。
文部科学省が、同区に伝えてきた過去3回の学テの成績によると、
区全体では、いつも小学校は全国平均をやや上回り、
中学校はやや下回るなど、見かけ上は大きな変化はなかった。
中には、平均的な学力を持つ子が多く集まる学校もあれば、
上位者と下位者の学力差が大きい学校も。
「平均点を比較するだけでは、板橋区の問題点が見えなかった。
学校ごとの分析が必要だった」、
区教委の中川修一・指導室長(52)。
中川室長は、区の教育委員で計量経済学が専門の
今井英彦・武蔵大学教授(52)に統計分析を依頼。
この結果、小中計76校の箱ひげ図が次々と作られた。
各校は、渡された分析結果を踏まえ、
10年度の学力向上推進プランを策定。
区教委は、「学テだけでは、一人一人がどこでつまずいたかが
分からない」、小5は国算の2教科、中2は英国数の3教科で、
基礎学力の定着を調べる独自の「学習ふりかえり調査」を、
昨年から導入。
結果は、「個人票」に記録して本人に渡し、つまずきの内容と
克服に向けた方法を提示。
各校は、放課後の補習の際や冬休みの宿題などとして、
子どもたちに区作成の教材に取り組ませている。
中川室長は、「個人票により、その子にあったフィードバック学習が
効率的に進められる」
今年度のふりかえり調査は、学テ直後の25日に実施。
学テの長所や短所を踏まえた独自の分析や学力調査が、
学力向上につながっている。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100414-OYT8T00181.htm
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