2010年4月26日月曜日

スポーツ立国戦略:ヒアリング終了 地域振興にも配慮

(毎日 4月20日)

長期的な国のスポーツ施策の方向性を示す
「スポーツ立国戦略」を策定するため、文部科学省が実施した、
5回に及ぶスポーツ関係者からのヒアリングが終了。

民主党に政権交代後、初めての予算編成は
トップスポーツ重視の色合いが濃かったが、
今回のヒアリングでは、地域スポーツに配慮する方向性も垣間見えた。

10年度予算では、チーム「ニッポン」マルチサポート事業に、
前年度の6倍近い約18億8400万円が計上、
国際競技力向上を目的とする事業が優先された形。
もともと民主党は、09年「政策集インデックス」で、
地域スポーツを重視する方針。

鈴木寛副文科相は、ヒアリングの席で
「すそ野が広がれば、トップは強くなる。
トップが強くなれば、すそ野は広がる」として、
元トップ選手が地域の総合型スポーツクラブの指導者となれる
体制づくりの必要性などを指摘。

出席者からも、「受け皿がなければ、安心してトップを目指せない」
(北京五輪陸上銅メダリスト、朝原宣治氏)、
現役引退後のセカンドキャリアの充実を求める声が相次いだ。

トップの強化に関して、バンクーバー五輪で、
韓国がスケート競技を集中的に強化して躍進したことを受け、
鈴木副文科相が、「韓国は(強化する競技の)『選択と集中』を
やっているという話を聞く」

JOCの市原則之専務理事は、「育てる部分も必要」と
理解を求めたが、文科省は既にこの3月、幹部が韓国を視察。
メダルが有望な競技を重視する方針を打ち出す可能性も。

文科省は、来年度予算に反映させるため、
今夏までにスポーツ立国戦略の方向性を打ち出す予定。
スポーツ振興における国の役割を定める「スポーツ基本法」や、
スポーツ行政を一元化するために設置が検討されている
スポーツ庁の在り方も検討。

◇ヒアリングの主な出席者

朝原宣治・08年北京五輪陸上銅メダリスト
平尾誠二・元ラグビー日本代表監督
古田敦也・前プロ野球・ヤクルト監督
山下泰裕・84年ロサンゼルス五輪柔道金メダリスト
岡部哲也・92年アルベールビル五輪スキーアルペン代表
河合純一・96年アトランタ、00年シドニー、04年アテネパラリンピック競泳金メダリスト
市原則之・日本オリンピック委員会専務理事
岡崎助一・日本体育協会専務理事
梅村和伸・全国高体連専務理事
飯田稔・全国体育系大学学長・学部長会会長
伍藤忠春・日本障害者スポーツ協会副会長

http://mainichi.jp/enta/sports/general/news/20100421k0000m050081000c.html

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