2010年4月28日水曜日

初挑戦で最高位に 大船渡高出身の西村さん、ブルクハルト国際音楽コンピアノ部門で第1位

(東海新報 4月24日)

有能な演奏家の発掘をめざす
「第7回ブルクハルト国際音楽コンクール」のピアノ部門で、
大船渡高校出身の西村元希さん(23)が最高位の第1位に。

昨年、東京の音大を卒業した西村さんは、各種オーディションや
ピアノコンクールで、多数の入賞歴を誇る新進気鋭のピアニスト。
現在、東京を拠点に活動、夏には県内で開かれるコンサートに
〝凱旋出演〟する予定。

同コンクールは、ピアノ、声楽、歌劇、室内楽、管弦楽の作品を
作曲し、クラシック音楽界に貢献したスイスの作曲家、
ウィリー・ブルクハルトの功績を記念し、平成18年から開催。
有能な演奏家を発掘・育成し、音楽文化の発展向上に
寄与することを目的に、ピアノ・弦楽器・管楽器・声楽・室内楽の
5部門で実施。

第7回コンクールのピアノ部門には、全国から43人が出場。
8分以内の自由曲演奏による予選を経て、32人が
昨年10月30、31日に行われた本選に進み、
12分以内の自由曲で演奏技術や表現力を競った。

ピアノ部門は、過去6回のコンクールで2回しか第1位受賞者が
出ていないというレベルの高さ。
今回も第2位、第5位が「該当者なし」となるなど、
出場者の実力が厳しく審査。

西村さんは本選で、リストの「ハンガリー狂詩曲第12番嬰ハ短調」を演奏。
前打音を強調した力強い主題やテンポの遅い即興風の主題などで
構成された楽曲を、緩急自在の巧みな鍵盤さばきで華麗に弾きこなし、
同コンクール初挑戦で、見事第1位を獲得。

今月10日、東京都のムーブ町屋コンサートホールで、
表彰式と入賞者による演奏会が行われ、西村さんはショパンの
「英雄ポロネーズ」など2曲を披露。

西村さんは、花巻市生まれ。
音楽好きの母親の勧めもあり、同市内の自宅近くにあった
ヤマハ音楽教室で、6歳からピアノを始めた。

小学5年生の時、父親の実家のある三陸町越喜来に転居し、
以後、大船渡高校を卒業するまでの間、同市の教室に通い続けた。
この間、ショパン国際コンクールで最優秀演奏賞を受賞、
小澤征爾氏ら著名指揮者との協演を重ねている
有森博氏(東京芸大准教授)、末松茂敏氏(フェリス女学院講師)らに
師事し、個人レッスンを受け、腕を磨いた。

高校卒業後、東京音楽大学ピアノ科に入学、
鈴木恭代さんに師事。
在学中、専攻実技選抜演奏会や卒業試験上位者による
ピアノ卒業演奏会に出演、岩手県芸術祭ピアノ部門で
第60回記念賞(特別賞)を受賞するなど、才能を開花。

卒業後、東京芸術国際協会主催の第45回新人オーディションで、
奨励賞を受賞。
昨年行われた第10回ローゼンストック国際ピアノコンクールでは
審査員賞を受けている。

岩手県内各地で開催されたヤマハ音楽教室などの発表会に、
ゲストとして多数出演。
現在、東京を拠点に活動中、楽器店などのコンサートに
ソロ、ジョイントで出演。

今回の第1位獲得について西村さんは、
「非常に光栄なこと。1位の栄誉に恥じないよう今後も精進し、
岩手にもクラシック音楽を広げていきたい」

西村さんが〝凱旋出演〟する東京音楽大学岩手支部
第8回コンサートは、7月16日(金)に盛岡市民文化ホールで。
8月22日(日)、奥州市文化会館Zホールで有森氏と共演する
コンサートも予定、県内クラシックファンの注目を集めそう。

http://www.tohkaishimpo.com/

0 件のコメント: