2010年4月30日金曜日

採掘スタートは「未定」国内需要減の影響濃く 太平洋セの袰下山開発環境アセスは年度内完了へ

(東海新報 4月24日)

住田町上有住の袰下山(ほろしやま587)への新規鉱山開発
計画している太平洋セメント㈱大船渡工場(相良安廣工場長)は、
環境アセスメント評価書の前段階となる準備書の縦覧を、
5月中旬から始め、周辺4地域での住民説明会を開始。
手続きが順調に進めば、本年度内にアセスメントが完了する見通し。
計画公表当初は、平成年度ごろとしていた採掘開始時期について、
近年の国内セメント需要激減などから、「現時点では未定」。

同工場では現在、大船渡市2カ所と住田町1カ所の計3カ所に
鉱山を設けている。
近年のセメント原料採掘は、年220万トン、
残鉱量はおよそ10年程度との見通し、
100年規模の採掘ができ、鉱量が見込まれる袰下山開発を計画。

国内セメント需要が、平成2年のピーク時8628万トンに比べ、
昨年はほぼ半減の4470万トン、落ち込みが顕著に。
同社は、3工場の閉鎖や738人の人員削減などを展開中。

袰下山の出鉱開始は計画公表当初、26年度ごろとの見通し。
開始時期は不透明な状況となったものの、環境アセスメントについては
本年度内完了を目指して進めている。

初回の説明会は、坂本自治公民館で開かれ、住民20人が出席。
あいさつに立った藤井茂樹大船渡工場業務部長は、
「環境アセスメントは年度内完了予定だが、
セメント需要減に対応する見直しを全社的に進め、
以降のスケジュールは現時点では未定としかいえず、心苦しい状況」

環境アセスメントは、県環境影響評価条例に基づくもので、
事業者が環境に及ぼす影響を事前に調査、予測、評価し、
その結果を公表して意見を聴き、
環境に配慮した事業計画を作成する仕組み。

同工場では、第1段階となる環境影響評価方法書縦覧を
一昨年に終え、今回の準備書では、この環境影響評価結果に
基づく水質や生態系、景観の保全騒音粉じん対策などについての
考え方をまとめた。

出席住民から、「狭い沢があるので、洪水調整池からの放流量に
気を配ってほしい」、「井戸水への影響はどの程度になるか」など、
開発期や操業後の水質についての意見や質問が聞かれた。

住民説明会は、大型連休明けにかけて下有住新切、上有住両向、
同恵山の3地域でも開催。
準備書縦覧は、5月中旬から1カ月間大船渡工場などで予定、
同月中の説明会開催も計画。

http://www.tohkaishimpo.com/

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