2010年4月25日日曜日

若年性パーキンソン病:ミトコンドリアの異常蓄積が原因

(2010年4月20日 毎日新聞社)

20-30代で発症する神経難病「若年性パーキンソン病」が
起きる原因を、東京都臨床医学総合研究所の
田中啓二所長代行と松田憲之研究員らが突き止めた。

二つの遺伝子が働かず、細胞内の小器官「ミトコンドリア」の
不良品が蓄積することで発症している可能性が高い。
19日付の米科学誌ジャーナル・オブ・セル・バイオロジーに発表。

国内のパーキンソン病の患者は約15万人。
大半は高齢になって発症するが、若くして発症する
若年性パーキンソン病もある。
研究チームは、若年性パーキンソン病の特徴を持つマウスから
採取した細胞と、正常マウスで遺伝子などの働きを比較。

その結果、正常マウスでは、ミトコンドリアに異常が起きると、
2種類の遺伝子が関連して働き、異常ミトコンドリアが分解。
病気マウスの細胞では、遺伝子が働かず、
異常ミトコンドリアが細胞内に蓄積。

これらの2遺伝子が異常になると、若年性パーキンソン病が
起きることが知られているが、具体的な働きは分かっていなかった。

高齢患者の発症と若年性は症状が似ているため、
発症原因には共通性があると考えられている。
松田さんは、「二つの遺伝子が、ミトコンドリアの品質管理に
不可欠であることが分かった。
この発見が、パーキンソン病全般の新たな治療法につながってほしい」

J Cell Biol. 2010 Apr 19;189(2):211-21.
PINK1 stabilized by mitochondrial depolarization recruits Parkin to damaged mitochondria and activates latent Parkin for mitophagy.

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/4/20/119224/

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