2010年5月22日土曜日

オープン型MRI 一般的な筒型ではなく側面が開いた装置

(2010年5月12日 毎日新聞社)

MRI(磁気共鳴画像化装置)は、強力な磁石と電波を利用し、
体内の水や脂肪の分布の様子を画像化、
病気やけがの部位を調べる装置。

脳梗塞や動脈瘤、がん、椎間板ヘルニアなど、
体のどの部位でも、異常があるところの位置を
正確に知ることができる。
国内の稼働台数は、約6000台。
脳ドックで、MRIを経験する人も多い。

日本医科大付属病院放射線科の土橋俊男技師長によると、
急性期の脳梗塞の場合、CT(コンピューター断層撮影装置)より
発見しやすい。

装置は、直径60~70cmの横向きの筒の中に横たわる
「トンネル型」と、側面が開いているハンバーガー状の
「オープン型」に大別。

国内の装置の7割がトンネル型、筒の中で20~45分程度
じっとしていなければならないことから、
閉ざされた空間や狭いところが苦手で
検査を受けられない人も少なくない。

オープン型は、デザインが開放的で、閉所が苦手な人や
体格の大きい人でも検査を受けやすい。
子どもが受診する場合、家族や検査担当者が手を握ったり、
そばに寄り添うことも可能。

オープン型を開発、製造販売している日立メディコMRI戦略本部に、
一般の人からも毎月20件程度の問い合わせ。

東京日立病院の調査によると、同病院で一般外来を受診し、
オープン型MRI検査を受けた約4700人のうち、
閉所恐怖症だと申告した人は77人。
4人に3人は、過去に検査中断の経験があったが、
オープン型では、72人が最後まで検査を受けることができた。

同病院診療放射線科の出島毅科長は、
「体を固定されたり、検査室で一人になって、
『何かあったとき、外に出られない』と思い込み、
オープン型でも不安を募らせる人も。
事前に不安な点を十分に話し合うこと、検査中に定期的に残り時間を
知らせることなどで、かなり楽になる」

MRI検査時の心配ごとの一つに、体内や身につけている
金属の問題がある。

トンネル型もオープン型も、強い磁石と電波を使っているので、
心臓ペースメーカー、人工内耳、除細動器など、
医療器具を装着している人は検査できない。
検査室には、電子機器やアクセサリーなども持ち込めない。

日本医科大病院の土橋さんによると、
タトゥー(入れ墨)や、まゆなどのアートメーク、化粧品で
色素に金属が含まれている場合、まれに発熱する。
歯の金属の詰め物やかぶせ物があっても、
ほとんど問題なく検査できるが、磁石で義歯を固定している場合、
検査後磁力が弱まる可能性があり、はずす必要。
女性の場合、下着の金具などが影響することも。

閉所が苦手でなくても、検査時は何かと不安を感じるもの。
土橋さんは、「装置の中に入ったら、目を閉じて力を抜いて」と助言。
装置の中の暗さが苦手であれば、
入る前にアイマスクをつけるのも効果的。
事前に装置を見学したり、装置の中に寝ることができる医療施設も。
「不安なまま検査を受けることのないよう、
心配ごとがあれば何でも相談して」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/5/12/120091/

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