(毎日 5月3日)
国内外に、コンビニエンスストア計1万5887店舗を
展開するファミリーマート。
店舗の改装や省エネ機器の導入によるCO2排出量削減、
食品廃棄物のリサイクルにも、積極的に取り組んでいる。
同社の環境戦略を、上田準二社長に聞いた。
--コンビニチェーンとして、環境負荷の低減に
どのように取り組んでいるか?
◆コンビニは、いまや各地域の生活者に密着した社会インフラ、
環境問題に取り組むのは当然の責務。
当社は91年、業界で最も早く環境問題を担当する社内組織を設け、
店舗や商品、物流など、各面から取り組んできた。
99年、環境に関する国際標準規格の「ISO14001」を取得。
--店舗での具体的な取り組みは?
◆冷凍・冷蔵ケースからの排熱を、冬季の暖房に利用する
システムは約4700店舗、外光の明るさに応じ、店内照明を
自動調光するシステムは、約2600店舗に導入済み。
屋根に太陽光発電のパネルを設置、看板の光源を蛍光灯から
LED(発光ダイオード)に切り替えるなどの実験的な取り組み。
年間電気使用量を、従来比で約10%削減できる木造店舗の
導入も進め、これらの最新技術を集めた環境配慮型店舗を
今年1月、東京都練馬区にオープン。
約2000台の配送車両も、排ガス削減効果の高い圧縮天然ガス車や
ハイブリッド車に切り替えている。
--商品面で環境への配慮は?
◆食品廃棄物を回収し、肥料や飼料としてリサイクル。
余った弁当などから作った液体飼料で、豚を飼育、
その肉を使った弁当を開発。
この循環システムには、東京都内246店舗が参加。
人気商品のフライドチキンなどを揚げた後の廃油も、
薬用ハンドソープに再利用、店舗で使っている。
素材や製造、使用時の環境負荷が低いプライベートブランドの
「We Love Green」商品は、他の商品と差別化でき、
売り上げアップにもつながっている。
--課題は?
◆太陽光パネルやLED照明などを使うエコ店舗は、
出店コストがまだ高い。
環境対策は待ったなし。
民間だけでは限界があり、国の支援も必要。
環境分野を手がける企業に対する国の助成なども、
今後検討していただきたい。
--海外出店を加速、今後の展開は?
◆ファミリーマート全店舗のうち、半数以上が海外、
大半がアジア地域に。
アジアでは、鉄筋や蛍光灯を用いたスタンダードな店舗を作り、
コストに見合ったエコ店舗の出店の仕組みが
日本で確立できれば、今後は海外でも積極的に展開したい。
==============
◇うえだ・じゅんじ
山形大卒。70年伊藤忠商事入社。
同社畜産部長などを経て、00年ファミリーマートに顧問として転じ、
02年3月から現職。秋田県出身。63歳。
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2010/05/03/20100503ddm008020016000c.html
0 件のコメント:
コメントを投稿