(2010年5月13日 共同通信社)
老化や免疫異常により、関節の軟骨が破壊され、
痛みや運動障害の症状が出る関節炎を防ぐのに
重要な役割を果たす小さな分子を見つけたと、
国立成育医療研究センターの浅原弘嗣
システム発生・再生医学研究部長らが、
12日付米科学誌電子版(ジーンズ・アンド・デベロップメント)に発表。
マウスの実験で、この分子を増やすと関節炎になりにくいことを
確かめた。浅原部長は、
「関節炎やリウマチの新しい治療法につながる可能性がある」
浅原部長らは、人間やマウスの軟骨細胞に、
マイクロRNAという分子「miR140」が多く含まれることに注目。
遺伝子操作で、この分子をほとんど持たないマウスを作り、
人為的に関節炎を発症させると、通常のマウスに比べ、
軟骨が大きく損傷。
この分子を増やすよう遺伝子操作したマウスでは、
軟骨の状態が良好。
関節炎は、軟骨を構成するタンパク質が「ADAMTS5」という
酵素によって分解されるのが主な原因だが、
miR140は、この酵素の働きを抑えていた。
この分子をほとんど持たないマウスは、手足や尾が短くなり、
動物が誕生する「発生期」の骨格形成に
重要な役割を果たすことも判明。
RNAは通常、DNAの情報を写し取りタンパク質の合成を担う。
マイクロRNAからタンパク質は合成されず、従来は 「がらくた」と
考えられていたが、別の働きをすることが分かってきている。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/5/13/120193/
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