2010年5月22日土曜日

関節炎防止に小分子 マイクロRNA、軟骨維持

(2010年5月13日 共同通信社)

老化や免疫異常により、関節の軟骨が破壊され、
痛みや運動障害の症状が出る関節炎を防ぐのに
重要な役割を果たす小さな分子を見つけた
と、
国立成育医療研究センターの浅原弘嗣
システム発生・再生医学研究部長
らが、
12日付米科学誌電子版(ジーンズ・アンド・デベロップメント)に発表。

マウスの実験で、この分子を増やすと関節炎になりにくいことを
確かめた。浅原部長は、
「関節炎やリウマチの新しい治療法につながる可能性がある」

浅原部長らは、人間やマウスの軟骨細胞に、
マイクロRNAという分子「miR140」が多く含まれることに注目。
遺伝子操作で、この分子をほとんど持たないマウスを作り、
人為的に関節炎を発症させると、通常のマウスに比べ、
軟骨が大きく損傷。
この分子を増やすよう遺伝子操作したマウスでは、
軟骨の状態が良好。

関節炎は、軟骨を構成するタンパク質が「ADAMTS5」という
酵素によって分解されるのが主な原因だが、
miR140は、この酵素の働きを抑えていた。

この分子をほとんど持たないマウスは、手足や尾が短くなり、
動物が誕生する「発生期」の骨格形成に
重要な役割を果たすことも判明。

RNAは通常、DNAの情報を写し取りタンパク質の合成を担う。
マイクロRNAからタンパク質は合成されず、従来は 「がらくた」と
考えられていたが、別の働きをすることが分かってきている。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/5/13/120193/

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