(サイエンスポータル 2010年7月16日)
文部科学省は、世界トップレベル研究拠点(WPI)に
九州大学の「カーボンニユートラル・エネルギー研究拠点」を選んだ。
世界トップレベル研究拠点プログラムは、
真のセンター・オブ・エクセランス(COE)を国内につくるという
狙いから、2007年に始まった。
日本が世界に誇る強い分野で、傑出した研究を行っている機関として、
東北大学の原子分子材料科学高等研究機構、
東京大学の数物連携宇宙研究機構、
京都大学の物質-細胞統合システム拠点、
大阪大学の免疫学フロンティア研究センター、
物質・材料研究機構・国際ナノアーキテクトニクス研究拠点、
が選ばれている。
各拠点には10年間、毎年5~20億円の研究費が支給。
6番目の拠点となった九州大学の
カーボンニユートラル・エネルギー研究拠点は、
高効率で低コストの水素製造、水素吸蔵材料、耐水素脆化材料、
次世代燃料電池、物質変換、CO2の分離・回収と地中・海洋貯留、
CO2の有用物質への変換など、カーボンニユートラル・エネルギー
(低炭素)社会の実現を目指す研究を推進する。
既存の5拠点が、いずれも日本人研究者を拠点長としているのに対し、
米国イリノイ大学のペトロス・ソフロニス教授を拠点長に迎える。
世界トップレベル研究拠点(WPI)プログラムについて、
発足1年後の文部科学省フォローアップ委員会による活動評価で、
「すべての拠点は、海外の主任研究者を招聘しているが、
世界的な拠点の研究者集団形成という意味では、質と数で不十分。
プログラムの10年という長い時間を考えれば、将来性のある
優れた研究者を招聘することも、積極的に考えるべき」といった注文も。
昨年11月の行政刷新委員会による事業仕分けでも、
「予算要求の縮減」(廃止2人、予算計上見送り1人、予算要求の縮減では
半額2人、3分の1縮減4人、その他1人、予算要求通り1人)という
厳しい評価。
http://scienceportal.jp/news/daily/1007/1007161.html
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