2010年7月27日火曜日

がん患者が働きやすい社会づくりに取り組む 桜井なおみさん

(2010年7月16日 共同通信社)

2004年、37歳のとき乳がんが見つかった。
設計事務所のチーフデザイナーとして、やりがいのある仕事を
幾つも抱えていた。

「きっちり引き継がなければ」と、後任を連れて慌ただしく
クライアントを回り、手術日を1週間延ばした。
退院後も続く検査、抗がん剤治療のため休職は8カ月に及び、
復帰した後も通院は続いた。
結局いづらくなって、2年後に辞めた。

がんになっても、働き続けたい-。
がん経験者の7割がこう願うのに、その3割が解雇・退職などで
転職していることを知った。

入院期間の短縮で、術後の抗がん剤治療などは通院で行うのが
一般的だが、働き続けるには足かせだ。

「全がん患者の4人に1人は働き世代、抱える問題は高齢患者と違う。
がんになった上、仕事も失うのは精神的にも経済的にもつらい」

自分らしく生きることを最期まで貫き、治療費や税金を払い、
亡くなる患者をたくさん見てきた。
経験者だからこそ、働き続けたいという希望も、
職場での悩みもよく分かる。

治療は一時期、がん経験者だからと働き盛りを切り捨てるのは
企業側の損失ではないかという思いも強かった。

昨年、事業を開始。
趣旨に賛同した会社が運営する総合求人求職サイトを通じて、
がん経験者の就労を支援する一方、このほど働き続けるこつを
がん経験者32人がまとめた本を出版。

働き続けるための課題を話し合うシンポジウム
「がんと一緒に働こう!」も各地で開催、社会の意識改革と、
行政の後押しの必要性を訴えている。
43歳、東京都出身。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/7/16/122918/

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