2010年7月26日月曜日

動かぬ体、奏でるギター ALS患者ら開発、額やほおで操作 来月ライブ

(2010年7月22日 毎日新聞社)

難病のALS(筋萎縮性側索硬化症)患者で、
湘南工科大学で非常勤助手を務める舩後靖彦さん(52)らが、
全身まひの人でも弾くことができるギターを開発した。


学生時代、プロのギタリストを目指したという舩後さんは、
「再びギターが弾けるなんて夢のよう」
来月、千葉市で製作発表ライブを開く。

ギターを開発したのは、舩後さんと同大電気電子工学科4年の
山田雅彦さん(24)。
電子情報工学専攻の水谷光教授が指導。
体で唯一動かせる額やほおに取り付けた3本のセンサーが、
微細な動きから情報を読み取り、モーターを動かして
エレキギターの弦をはじき、三つの和音を奏でる。

舩後さんは、商社マンだった99年、ALSを発病し、
「余命3年」と宣告。
失意のどん底で、自身の思いを短歌に込めた。

  骸(むくろ)かな
  身・口微塵(みじん)も動かねば
  脈だけが生の証し悲し

主治医の勧めで、同じ患者同士で相談し合う「ピアサポート」に
参加したのを機に、短歌集を出版したり、
講演活動に取り組むようになった。

こうした活動が評価され、08年12月に同大助手として採用。
役割は、福祉器具開発への助言。
数々の開発に携わったが、最後に残った思いが、
「もう一度ギターを弾きたい」
1年半ほど前から、山田さんらと意見交換を重ね、完成に。

ライブは8月7日、千葉市稲毛区のミュージックハウス
「フルハウス」、午後1時半に開場
(問い合わせは、金子みもさん=090・2733・3695)。
全国で約7000人いるとされるALS患者に勇気を与えたいと、
舩後さんもステージに上がる。
この日のために作詞した新曲に、今の気持ちを込めた。

  幸せ掴(つか)むため
  引き返せない運命(さだめ)
  行くしかない

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/7/22/123150/

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