2010年7月31日土曜日

いじめ対策(4)子ども同士「声かけ活動」

(読売 7月22日)

口数が少ない中学生のA君は、2か月に1回、
年齢の違う子と交流するため、近くの小学校を訪れる。
最初は緊張し、小学生に話しかけるきっかけさえつかめなかったが、
何回か訪れるうちに話せるようになり、表情も明るくなってきた――。

静岡県藤枝市で、市立小・中学校の教員約30人を対象に開かれた
ピア・サポートの研修会。
講師の臨床心理士、藁科正弘(72)さんは、映像を使い、
広島市で、実際に子どもたちのコミュニケーション力が上がった
冒頭の「声かけ活動」の事例などを紹介。

「子ども同士で声をかけあい、助け合いをすることで、
他人への思いやりや『自分もできる』という自信が生まれる」と藁科さん。
「教師主導ではなく、生徒が自主的に動くことが大切」と強調。

藤枝市内では昨年8月、ビル屋上から同市立中学2年の
女子生徒2人が転落死する事件が起きている。
市教委は9月、市内の全小中学生を対象に、
「学校生活アンケート」を実施、小学生の約13%、中学生の約3%が
「いじめを受けている」と回答するなど、憂慮すべき実態が分かった。

市教委は同11月、学校が実施した聞き取り調査などを基に、
「いじめや友人関係で悩んでいたが、死亡との因果関係は不明」と
発表、事件調査に一応の区切りを付けた。
背景に、いじめや友人関係の悩みがあったこと、
子どもたち全体にいじめが広がっている事態を重視し、
いじめ対策に乗り出した。

今年1月、市民や教員の代表らで構成する
「子どもが安心して学べる学校づくり推進協議会」を設置。
いじめの発見チェックリストや初期対応の仕方などを
盛り込んだ指針を作り、市内の全小中学校に配布。
思いやりあふれる学校作りを目指し、
ピア・サポート活動を積極的に導入することにした。

広島大学の栗原慎二教授(50)によると、
ピア・サポートは、大阪市、岡山県総社市など各地で導入が進み、
07年に取り入れた広島市内の小中学校10校では、
子どもたちの「いじめられている意識」が全校で減った。

中村禎・藤枝市教委学校教育課長(56)は、
「ピア・サポートは、仲間を大切にする気持ちと共に、
自分も誰かの役に立つ、という思いを持つことができる。
効果に期待したい」

◆ピア・サポート

悩み相談に乗るなど、仲間同士で支え合う活動のこと。
「ピア」とは仲間の意味。
1970年代にカナダで始まったと言われ、
子どものコミュニケーションや思いやりを育む効果。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100722-OYT8T00227.htm

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