2008年10月10日金曜日

糖尿病なりかけに「緑茶が効果」 1日7杯で血糖値改善

(朝日 2008年10月4日)

緑茶を1日に7杯分ほど飲むことで、糖尿病になりかかっている人たちの
血糖値が改善することが、静岡県立大などの研究でわかった。
健康な人で緑茶をよく飲んでいると、糖尿病になりにくいという報告はあるが、
高血糖の人たちの値が下がることを確認した報告は珍しい。

血糖値が高めで、糖尿病と診断される手前の「境界型」などに該当する
会社員ら60人に協力。

緑茶に含まれる渋み成分のカテキンの摂取量を一定にするため、
いったんいれたお茶を乾燥させるなどして、実験用の粉末を作製。
毎日、湯に溶かして飲むグループと、飲まないグループに無作為に分け、
2カ月後の血糖値を比べた。

平均的な血糖値の変化を、「Hb(ヘモグロビン)A1c」でみると、
緑茶粉末を飲んだ人たちは当初の6.2%が、2カ月後に5.9%に下がった。
飲まなかった人たちは変わらなかった。
飲まなかった人たちに改めて飲んでもらうと、
同じように2カ月間で6.1%から5.9%に下がった。

一般に、HbA1cが6.1%以上だと糖尿病の疑いがあるとされ、
6.5%以上だと糖尿病と即断
患者の血糖値を5.8%未満に維持できれば、優れた管理。
今回の成果は、糖尿病一歩手前の人が緑茶をたくさん飲むことで、
糖尿病にならずに済んだり、発症を遅らせたりできる可能性を示した。

2グループで、体格や摂取エネルギーなどに差はなく、
緑茶からのカテキン摂取量が血糖値に影響したらしい。
1日分の緑茶粉末は、一般的な濃さの緑茶で湯飲み(約100ミリリットル)
約5杯分のカテキンを含み、緑茶粉末を飲んだ人では、
普通に飲んだ緑茶と合わせ1日に約7杯分のカテキンをとっていた。

静岡県立大から移った吹野洋子・常磐大教授(公衆栄養学)は、
「運動などの生活習慣改善とともに、食事の中で積極的に
緑茶を取り入れてほしい」

http://www.asahi.com/science/update/1004/TKY200810040094.html

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