2008年10月10日金曜日

イグ・ノーベル賞を受賞した北海道大准教授の中垣俊之さん

(共同通信社 2008年10月7日)

「単細胞が迷路を解いた」。
米パロディー科学誌が毎年発表するイグ・ノーベル賞。

授賞式で、認知科学賞の授賞理由発表を受け、
共同受賞者の小林亮・広島大教授らと演壇に進むと、
会場のハーバード大記念ホールは拍手と歓声で包まれた。

受賞した研究の面白さは、脳も神経もない単細胞生物「真正粘菌」が、
人間でも難しい迷路を解いた点。

簡潔明快が評価される受賞スピーチは、
英語で「単細胞は日本でばかを意味するが、
実は考えてきたよりずっとスマートだ」と短く済ませ、
観客は歓呼の声で応えた。

理化学研究所で研究していた1990年代末。
粘菌を飼っていたおけに、えさのオートミールをぱらぱらとまいておくと、
細い管でつなぐようにすべてのえさに体を伸ばしていることに気付いた。

それならと、粘菌を迷路に入れ、入り口と出口に食べ物を置くと、
見事に最短経路を結んだ。

今年18回目となる同賞の授与条件は、
「まず人を笑わせ、その後、人に考えさせる研究成果」。

例えば化学賞は、コカ・コーラに殺精子効果があるかどうかで正反対の主張をした、
それぞれの研究者が獲得。
授賞式は、ユーモアとしゃれを効かせた演出で、観客は1時間半笑い転げる。

粘菌の能力の貴重な発見も賞には恵まれず、
「イグ・ノーベルなら応えてくれるかも」とひそかに希望をかけていた。
「単細胞がどれぐらい賢いのか。記憶とか学習もどれぐらいできるのかを
ちゃんと調べていきたい」。愛知県出身。45歳。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=80940

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