2008年10月7日火曜日

プロ野球:流出抑止の日本球界復帰制限、アマ側は当面静観

(毎日 10月6日)

ドラフトを拒否して海外球団入りしたアマ選手に対し、
日本プロ野球組織(NPB)が、海外球団を退団しても
一定期間は日本のプロ入りを凍結するとしたことについて、
高校・大学・社会人のアマ3団体は、静観する構え。

社会人野球を管轄する日本野球連盟の後勝専務理事は、
「プロ側の決めることで、どうこう言うことはない」。
この規則が正式に決まった場合、海外球団を退団した選手が
社会人野球入りを希望するケースも考えられるため、
「連盟として、対応を検討する必要はあるだろう」。

日本高校野球連盟の田名部和裕参事は、
「有望な選手が、直接メジャーに行くことに対する危機感は理解出来る」
としながらも、「帰国後に一定の制限をかけるのはプロ側の問題であり、
アマ側としては論評できない」

全日本大学野球連盟の内藤雅之常任理事は、
海外から戻る選手について、「プロから学生野球に戻ることはできないので、
(大学側には)関連しない」

◇「世論はどう思うか」と戸惑い…新日本石油の大久保監督

田沢の所属する新日本石油ENEOSの大久保秀昭監督は、
「驚いた。(海外で)成長して戻ってくる選手もいるだろうに、
世論はどう思うのか」と戸惑いをみせた。

大久保監督は、田沢のメジャー挑戦において、
大リーグ球団との窓口も務めている。
今回のNPBの決定が、田沢の意思に影響を与えるかについては、
「今から変えるということはないだろう」としながらも、
「最初からそういうルールがあった訳じゃないから。
そのルールをしっかりみてみないと」と困惑の色を隠せない。
「田沢は、自分を成長させたい一心。
その動きが、悪い方向にいってガッカリですね」

田沢はこの日、川崎市内の同社野球部合宿所にいたと思われるが、
姿は見せずじまい。

▽メッツ・大慈彌功・環太平洋担当部長

(制限を付けても)メジャーに行きたいという選手は行くと思う。
「だめだったら」と考える選手は通用しない。
以前、韓国人選手がメジャーで活躍し、その後、韓国プロ野球に戻って
プレーして韓国球界に貢献している例がある。
そういう選手は、韓国ではスターであり、誇りであるから、
球界も盛り上がるという例も。
日本球界は子供の夢、国民の夢を摘むようなことはしないでほしいし、
これは日本球界にとっても後退になる。

▽野球評論家・村上雅則さん

田沢君は、かわいそうな立場になったと感じる。
元々、日米間で紳士協定があったが、口約束。
田沢君がメジャー挑戦を表明し、日本球界はそういうことが起こるとは
思っていなかったので、慌てた。
それで対応策をということだが、いつも後手に回っている印象。

▽大リーグ評論家・福島良一さん

プロ野球でプレーする機会が失われる期間ができるようなルールは問題。
従来は、米大学球界からプロの世界に入った場合、
メジャーでプレーできるようになるまで3、4年はかかっていた。
ところが今は1、2年で上がれる状況に。
メジャーを目指す選手がなくなることはないだろう。
米国に挑戦する勇気を持つ選手は、そう多くない。
それだけに、その勇気を尊重するしかないのではないか。

http://mainichi.jp/enta/sports/baseball/news/20081007k0000m050122000c.html

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