2008年10月9日木曜日

学校の情報化(14)【読者の声】使い方に工夫して

(読売 10月4日)

学校の情報化には様々な側面のあることが、読者の声からもわかる。

「学校の図書室の貸し出しシステムを、表計算ソフトのエクセルで自作。
パソコンがあれば、バーコードリーダーを買うだけで利用できる」
九州の中学校に勤務する事務職員(31)から、こんな情報提供。
全校生徒が33人の小規模校。
「公立図書館の多くは、図書管理システムを導入、
学校図書館は、いまだに手書きの図書カードを記入している所も多い。
市販のソフトは、コストを考えれば学校で導入できる状況にない」

そこで、独自のシステムを作った。
導入によって、貸出数も大幅に増えた。
「自作のため、できることに限界はあるが、小規模校には有用。
町内で導入を検討している小学校もある」。
この取り組みは、全国学校図書館協議会の雑誌「学校図書館」9月号にも紹介。
小さな学校の職員による、ちょっとした情報化の工夫にエールを送りたい。

ICT(情報通信技術)を障害児に活用している
埼玉県の養護学校の記事(9月23日付)に対して、
障害者の先輩から激励の声がメールで舞い込んだ。

千葉県に住む56歳の男性。
大手の情報通信関連会社に勤務していたが、脳梗塞で半身マヒとなって退職、
在宅勤務ができる会社に移った。

「自分と同じようにあきらめず、パソコンを習得すれば、障害者でも就職は可能。
もし自分が起業できたなら、障害者の高校生を採用したい。
人は、どんな人でも助け合って生きている。あきらめないことです

山口県内の小学校の教員からは、学校の実情に関する情報も。
「十数年前、コンピューター関係企業から転職したころ、
学校というのは何と非効率的な職場だろうと思っていた。
現在は、校務処理でのデータの共有は一般化しているが、
授業での活用はいまだ普及しているとは言えない」

情報教育担当として、校内研修で、ウェブ上に授業で活用できる
サイトがあることから紹介、
「異動があると、一から始める形の繰り返し」。
自分でも、授業で活用できるような資料を作ったものの、
「一教員の力には限界がある」と訴える。

神奈川県内の小学生の娘を持つ母親からは、
小学校低学年へのパソコンを使った授業に疑問の声が。
情報教育の指定校での経験をつづる。

「1年からパソコンを使った授業があり、参観したことがあるが、
『こんなの家で出来るのになあ』が正直な感想。
保護者には、指定校になったことで、
若い先生が多数を占めることに対する不安が多かった」

引っ越し先の学校では、「様々な年代の先生がいて、娘たちは楽しそう」。
「パソコンなら私でも少しなら教えられるし、小学校で導入しなくても不都合はない。
興味のある児童は、自分から学ぶ。
教員にIT(情報技術)が出来るように迫るより、個性あふれる授業を期待したい」

ITはあくまで道具。そのことを忘れてはならないことは間違いない。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081004-OYT8T00221.htm

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