2008年11月11日火曜日

脳動脈瘤の関連遺伝子特定

(サイエンスポータル 2008年11月10日)

くも膜下出血の主原因となる脳動脈瘤の発生にかかわっていると
見られる遺伝子を、東海大学総合医学研究所などの研究チームが発見。
今後、遺伝子がどのように脳動脈瘤の発生に関与しているかを
研究することで、脳動脈瘤によって起きるくも膜下出血の予防や
治療法開発につながると期待。

東海大学総合医学研究所の井ノ上逸朗・教授らは、
米エール大学医学部脳神経外科のムラート・グネル教授と共同で、
日本、欧州の脳動脈瘤患者2,200人と脳動脈瘤を持たない8,000人の
ゲノムを比較。
DNAの配列がわずかだけ異なる「遺伝子多型」を調べることで、
病気の原因遺伝子を探す研究手法が使われた。

研究の結果、脳動脈瘤患者とそれ以外のグループでは
3つの遺伝子領域で明らかな差が見つかり、
この3遺伝子領域が脳動脈瘤の発生にかかわっている。

脳動脈瘤は、糖尿病や高血圧などと同様に複数の遺伝子だけでなく、
環境要因も複雑に絡み合って発生する。
くも膜下出血は、脳を覆うくも膜と軟膜の間にできた動脈瘤が破れて出血し、
膜の間にあふれた血液によって脳全体が圧迫される。
脳卒中の10%強を占めている。
発症者の約半数が死亡、20%程度に重い後遺症が残る。

http://www.scienceportal.jp/news/daily/0811/0811101.html

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