減量に関して、成功しやすい人とそうでない人がいるのはどうしてか?
単にカロリーの問題もなく、トレッドミルに費やした時間だけの問題でもない。
それには、人格も関わっている。
Robert Kushner(Northwestern Comprehensive Center on Obesity:
米国北西部総合肥満センター)、Dawn Jackson Blatnerは、
21種類の人格タイプを挙げ、各人格タイプの人が
食事、運動、ストレスに対処する方法について説明。
これらの人格タイプは、Blatner博士らの著書、Counseling Overweight Adults:
The Lifestyle Pattern Approach and Tool Kit
(肥満成人のカウンセリング:ライフスタイルのパターンおよびツールキット)に記した。
◆7つの人格パターン
Kushners博士とBlatner博士は、肥満者によく見られる、
永久に減量が難しい人格パターンを挙げている。
摂食に関連する7つの人格パターン
1)食事を抜く人
2)夜間飲食者
3)便利な食事をする人:外食が多い
4)果物が少なく、ご馳走を食べる人:果物や野菜が不足
5)常に間食する人
6)食べる分量が多い人
7)両極端に揺れる人:食事療法の「優等生」と「落第生」との間を揺れ動く
運動に関する7つの人格パターン
1)ソファ支持者:あまり動かない人(カウチポテトなど)
2)不安な参加者:運動に気後れする
3)初めての人:運動の初心者
4)全か無かの人(All-or-nothing doer):任務を熱心に遂行した後、何もしなくなる
5)きまりごとを繰り返す人:きまった同じ運動を何度も行う
6)身体を曲げると痛む人(Tender bender):痛みのために運動が制限
7)運動を先送りにする運動選手(Rain-check athlete):やる気はあるが実現しない
ストレス対処に関する7つの人格パターン
1)感情的に食べる人
2)自分を綿密にチェックする人:否定的なセルフイメージを持つ
3)絶えずぐずぐず先延ばしにする人
4)他人を喜ばせる人:他人に関心を向けすぎ、自身の時間もエネルギーもない
5)忙しすぎる人(Fast pacer)
6)食事療法に対して疑い深い人:自分は成功できないのではないかと疑う
7)背伸びしすぎる人:非現実的な目標を立て、失望する人
◆人格パターンの利用
はじめに50問の質問調査に回答。
栄養士は、21の人格パターンのそれぞれにランクを示す棒グラフを作成。
カテゴリーごとに、複数のパターンに該当してもよい。
摂食カテゴリーでは、他人を喜ばせる人、便利な食事をする人が最高ランクに分類、
運動カテゴリーでは、ソファ支持者と身体を曲げると痛む人、
ストレス対処カテゴリーでは、感情的に食べる人と他人を喜ばせる人が最高ランク。
次に、人格プロファイルに合った体重とライフスタイルのプランを作成。
「患者は、型にはまった方法は望まない」。
Blatner博士は、目標に向かって小さな達成可能なステップを進め、
「一度にひとつの巧妙な(tricky)ライフスタイルの状況」に取り組むことを推奨。
栄養士と連携していない人に対しては、21の人格パターンを見直し、
各カテゴリーから自分に一致するものをいくつか見つけ、
それらのパターンに対処する方法を探すように提案。
食事を抜く人は、食事のスケジュールを立て、
感情的に食べる人は、自分の感情に対処する別の方法を見つける。
Blatner博士は、書物Dr. Kushner's Personality Type Diet
(Kushner博士の人格タイプ別食事療法)も推薦。
◆体重の経時的グラフの作成
体重の経時的グラフを作成することも有用。
方法は次のとおり。
白紙を1枚用意し、時間を横軸に、体重を縦軸にとる。
18歳以降の体重を記し、転換点付近にメモを付す。
大学時代に体重が増加し、結婚直前に体重が減少、妊娠中に再度増加、
その後減少、仕事で降格後にさらに増加したというグラフ。
出張で体重が増加し、一時的に運動したが、
食事に対処しなかったために問題は解決しなかった増減サイクルのグラフ。
後から省みることによって、前進する際に有用性がわかるヒントが得られる。
カロリーは重要だが、健康的な体重に至るための自分自身の道があり、
独自の道を見つけるには、自分の過去と人格についての認識が必要。
そうした認識を持つことは道を外れない助けになるし、
「遵守すればするほど、成功する可能性が高くなる」
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=SPECIALTY&categoryId=580&articleLang=ja&articleId=82651
0 件のコメント:
コメントを投稿