(サイエンスポータル 2008年11月7日)
英語は習い始める時期が早いかどうかより、
長期にわたって学び続けるかどうかが大きな影響を与えるという結果が、
東京大学と宮城学院女子大学の研究チームによって明らかに。
酒井邦嘉・東京大学大学院准教授らは、脳に一切悪影響を与えず
脳の活動変化を追跡できる機能的磁気共鳴映像法(fMRI)という手法を用い、
言語の処理にかかわっている「文法中枢」と呼ばれる脳の部分が、
英語の課題を与えたときにどのように活動するか調べた。
研究の対象となったのは、中学1年から英語を学び始めた中高生18人と、
小学1年生から学び続けている中高生12人。
研究の結果、課題を与えられた際、脳の「文法中枢」と、
その近くに位置する「文章理解の中枢」部が活発に活動することが観察。
その活発度は、中学1年生から英語を学び始めた18人(短期習得グループ)が、
成績がよいほど脳活動も活発化していたのに対し、
小学1年から学び続けている12人(長期習得グループ)は、
英語力が身についているものほど脳の活動は活発でない、
つまり脳活動の節約(省力化)が見られた。
酒井准教授らのこれまでの研究で、英語を中学1年から学び始めると、
その後の6年間の学校教育により英語が定着するに従って、
脳の「文法中枢」の活動が高まり、維持され、その後節約(省力化)される
という変化が見られることが分かっている。
英語は6年くらい長く学ぶと、身につくにつれて当初、
活発に働いていた脳の「文法中枢部」をそれほど使わなくても済むようになる
という結果が出ていた。
今回、小学1年生から学び始めたケースについての新たなデータが
付け加わったことで、「外国語としての英語力の定着は、
習得開始の年齢だけでは説明できず、
6年以上にわたる英語接触量の重要性が強く示唆された」
http://www.scienceportal.jp/news/daily/0811/0811071.html
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