2008年12月8日月曜日

季節感知の仕組み明らかに 名古屋大、マウスで実験

(共同通信社 2008年11月25日)

夜間にだけ脳内で分泌され睡眠を促す「メラトニン」というホルモンが
哺乳類の季節感知に果たす具体的な仕組みを、
名古屋大大学院生命農学研究科の吉村崇教授らのグループが
マウスの実験で突き止め、米科学アカデミー紀要電子版に発表。

ネズミは人間と同様、1年を通じて生殖活動を行うため季節を
感知できないとされていたが、吉村教授らはメラトニンの血中濃度が、
日照時間の長さの違う季節ごとに変化することに着目。
正常なマウスと遺伝的にメラトニンを作れないマウスで比較実験。

その結果、正常なマウスだけが日照時間の差に応じて
脳下垂体からの甲状腺刺激ホルモンの分泌量に変化が生じ、
視床下部にある「DIO2」という生殖を促す遺伝子の活動に差が出た。

吉村教授らは、春に生殖する鳥類では日の長さの感知に
甲状腺刺激ホルモンが作用し、DIO2が活発化することを
ウズラの実験で解明済みだが、
今回の実験で、哺乳類ではメラトニンが甲状腺刺激ホルモンを介して
季節の情報を伝える仕組みが新たに分かった。
「季節によって症状が変わる人間の冬季うつ病などへの理解が進めば」

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=83510

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