(東海新報 12月5日)
「気仙は一つ・三首長会議」が、大船渡市民文化会館・リアスホールで開かれた。
大船渡市の甘竹勝郎市長、陸前高田市の中里長門市長、
住田町の多田欣一町長の3首長は、広域連携推進などについて会談、
「気仙は一つ」の考え方を再確認し、
規約をつくり、年4回程度のペースで今後開催することで合意。
合併については、大船渡市長が推進、陸前高田市長と住田町長が
当面単独、自立の姿勢をそれぞれ示し、認識の相違が改めて浮き彫り。
今後の具体的な行動事項、課題としても、
合併に関する協議は盛り込まれなかった。
3首長会議は、気仙地区広域行政推進会議以来の開催で、
甘竹市長の呼びかけに中里市長、多田町長が応えた。
「腹を割った形で、喧々諤々の議論をしたい」(甘竹市長)と非公開で行われ、
約1時間会談を行った。
会議組織の会長に選出された甘竹市長が、
「二市一町の広域連携をさらに進めていこうとの結論に達した」
組織を立ち上げて規約を決め、今後年4回開催していくことなどを明らかに。
会議では、「気仙は一つ」を再確認。
県立病院の医療体制充実に向けた県要望や、
世界遺産登録を目指す平泉との連携の中で、
産金地・気仙の広域的観光を推進する点を、
具体的に行動すべき事項として確認。
連携すべき課題には、
▽大船渡港の多目的ターミナル等の利用促進
▽三陸縦貫自動車道、主要幹線道路の整備促進
▽産業振興、企業誘致と雇用の創出
▽県営津付ダムの建設整備促進
▽県立病院の医療体制の充実
▽県立高校の充実強化
▽産金気仙の広域的観光の推進――の七項目を挙げた。
3首長は、現在における合併への考え方についても明らかに。
甘竹市長は、「気仙地区の発展と住民福祉向上のためには、
より強固な行政基盤が重要で、緊密な広域連携を進め、早期の合併が必要」、
平成22年3月の合併新法期限が近づく中で推進姿勢を強調。
中里市長は、「将来にわたって合併を否定するものではないが、
『当面単独市』を掲げて自助努力をしている。
広域連携は、最重要課題にとらえている」、
住田町長は、「もとより合併を否定していない。
『自立・持続』のまちづくりを進めているが、今後、広域連携を進める中で
最も良い行政の形が合併であれば、その方向に進むこともある」とし、
従来の考え方を改めて示した。
両首長とも、合併新法期限内の実現については「考えていない」。
3首長間における合併への認識には、隔たりがあることが浮き彫り。
具体的な行動項目や課題に、合併協議が盛り込まれなかったことについて、
甘竹市長は、「合併を否定はしないという点では一致しているが、
期限内かどうかにはさまざまな意見がある。
必要に応じて話し合う形になるのでは」
期限内合併実現への難しさについては、
「この問題は生き物であり、推進意見が台頭するかもしれない。
今後の動きを見たい」
陸前高田市長、住田町長はともに、
「気仙を割った形での合併はするべきではない」とし、
将来的な合併の姿は気仙2市1町が望ましいとの考えも強調。
「気仙は一つ」の考え方と、両市町が掲げる単独市、自立姿勢の
整合性について、中里市長は「気仙は長い歴史があり、
即合併ということではなく、気仙発展のために頑張る気持ちで一致した」
多田町長は、「『気仙は一つ』ならば、合併に向かわなければならないとの
認識は違う。連携の延長線に合併はあるかもしれないが、
連携、情報交換をする形が誤っているとは思わない」
この時期に会談を開催した点について、甘竹市長は、
「県地方振興局と3市町の担当部長らで集まった気仙広域行政等研究会、
陸前高田市民有志による気仙両市の合併協設置の動きに
影響を与えないよう考慮した」。
次回は、議会定例会の時期に合わせ、来年2月か3月に開催する予定。
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