2008年12月11日木曜日

ひどい上司を持つと心臓に悪い

(WebMD 11月24日)

自分の上司は不公平だ、気まぐれだ、思いやりがない、
全体的に管理能力に欠けると考えている人は、
心臓発作などの心臓病になるリスクが高いことを、
スウェーデンの新たな研究が明らかにした。

ひどい管理者のせいで、一般社員がストレスを感じている場合、
心臓病の長期リスクがさらに上昇する。
『Occupational and Environmental Medicine』に報告。

1992~1995年、男性一般社員3000人以上の心臓の健康状態を追跡。
2003年までに虚血性心疾患により入院、死亡した患者に関する
全国患者登録データと、この職業的健康記録を照らし合わせてみた。

10年間にわたる調査期間で、心臓発作、不安定狭心症、心停止などの
致死的および非致死的心臓疾患イベントが74例認められた。
部下が管理者を有能と評価すればするほど、重篤な心臓病のリスクは低い。

管理者のリーダーシップに対する認識と部下の重篤な心臓病リスクの関連性は、
部下の勤続年数が長いほど高かった。
ひどい上司によるストレスは、時間とともに増大することが示された。
社員の重篤な心臓病を予防するため、
会社は部下の評価に基づいて、管理者の不足能力を改善する手だてをとるべき。

カロリンスカ研究所、ストックホルム大学ストレス研究所のAnna Nyberg氏は、
「存在感があり意欲的な管理者とは、体制をつくり、情報を提供し、
社員を支えてくれる管理者で、部署が悪い方向にいかないよう対策を講じる。
ストレスによる部下の生理的変化を悪化させるのではなく、
その再生を促すのではないか」

参加者らは、ある評価体系を使って、コミュニケーションやフィードバック能力の高さ、
変化対応時の成果、目標設定能力、部下に任せた仕事の量などに関し、
上級管理者を評価。

その結果、リーダーシップスコアが高ければ高いほど、心臓病のリスクが低下。
この関連性のロバスト性は、「教育、社会的階級、収入、監督的立場、
仕事時に感じる身体的負荷、喫煙、運動、[BMI]、脂質、フィブリノゲン、
糖尿病を補正の上で」確認。
ひどい上司は、その下で働く人の健康や寿命にまでも悪影響を及ぼす可能性が。

別の研究で、身体的・精神的に有害だと思う職場環境にさらされている
社員の心血管疾患リスクは50%も高かった。
「特に職場の心理社会的ストレッサーは比較的多いので、
臨床的意味は大きい」

管理者の行動の質に対する認識が部下の健康に影響するとの
エビデンスは増えている。
部下が意識的にみている点は、上司の「思いやりある行動」、
どれだけ上手く部下に知的刺激を与えられるか、
部下とのコミュニケーション能力であった。

上司の評価に使われた質問には、「私が何か失敗すると、
上司にかなりきついことを言われる」といったものや、
管理者がいかに上手く期待していることを伝えられるかについて聞くものも。

情報伝達に難がある(単に否定的意味でなく)と思われている上司の部下は、
心臓病を発症するリスクが高い。
手始めに、管理者の仕事能力を高める訓練をしてみてはどうか。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=SPECIALTY&categoryId=580&articleLang=ja&articleId=84203

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