2008年12月17日水曜日

麺の材料に適したコメの新品種誕生

(サイエンスポータル 2008年12月11日)

国産のコメより、粘りが少ない新品種を育成することに、
農業・食品産業技術総合研究機構の中央農業総合研究センター
北陸研究センターが成功。

カロリーベースで40%と先進国中、著しく低い食料自給率を上げる一手段として、
米粉利用の拡大に期待が高まっている。
大きな問題点として、コシヒカリなど味のよい国産米は
麺にすると表面の粘りが強く麺離れが悪いという欠点。

粘りを強くしている原因は、国産米にアミロースがあまり含まれていない。
北陸研究センターは、国産品種の「キヌヒカリ」に
インド原産の在来種「Surjamukhi」の持つ高アミロース性を導入することで、
新品種「越のかおり」を育成

「越のかおり」は、タンパク含有率は約6%と「コシヒカリ」と
ほとんど変わらないが、アミロースをコシヒカリに比べ
ほぼ倍に近い33.1%含み、粘り気はぐっと落ちる。
2004年から06年にかけての栽培で、収量性は、
標準的な標肥区では「コシヒカリ」よりやや落ちるが、
施肥が多い場合では「コシヒカリ」並であることが確かめられた。

北陸研究センターと、株式会社自然芋そば、上越市、
えちご上越農業協同組合は、共同で「越のかおり」の製麺適性を検討し、
自然芋そば社から「越のかおり」を原料とする米麺の販売を開始。
「麺はコシが強く、切れにくく、コメ本来の味が活かされている」と
北陸研究センターは言っている。

http://www.scienceportal.jp/news/daily/0812/0812111.html

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