2009年2月23日月曜日

加工野菜を気仙産で 試験出荷へ情報交換

(東海新報 2月19日)

大船渡市に本社のあるカット野菜加工の㈱ハローワークとJAが、
気仙産加工用野菜の試験的な出荷に向けた検討を始めた。

気仙地方の温暖な気候を生かし、ハローワーク側では
キャベツやレタスをはじめ、多様な野菜栽培に期待を寄せ、
新たな産地化や遊休農地の解消などに向け、今後の展開が注目。

JA関係者は、工場内を見学。
キャベツやタマネギ、レタス、ジャガイモなど、さまざまな食材が
細かく切り分けられて袋詰めされる工程の説明を受け、
工場内での野菜管理、加工に理解を深めた。

ハローワークの錦山功専務が、「加工用の取引は年々量が増えている。
温暖化で春の到来も早まっている中、気仙で加工用野菜を作ってもらえないか
お願いしたい。まずは一つでもいいから、考えていただきたい」
同社側から、試験化に向けた流れや栽培方法などが提案。

同社は、全国各地から集めた野菜を加工し、東北一円の食品会社などに販売。
鮮度、品質両面を考慮し、県内各地の農家と契約を増やしているが、
県内でも温暖な気仙の気候に着目し、新たな契約栽培を目指す。

県内陸産は、6月中旬以降の出荷が主流となっているキャベツを、
気仙で5月中旬~6月上旬の収穫ができないか打診。
レタスやキュウリ、根菜類、菜の花など、加工用として需要がある
食材の出荷実現も提案。
JAおおふなと側では、「現時点では、まだこれから」と、
検討に着手する姿勢を示した。

農家側が、継続的に栽培できるような補償や価格を求めた一方、
シイタケやホウレンソウなど現状でも取引可能な食材名も挙がっていた。
加工用野菜は、スーパーなどへの出荷と同様に高品質を求めるが、
店頭販売で重要視される外見や手ごろな大きさ以上に、
重量が取引の大きな基準となる。
スーパー向けには出しにくい野菜も受け入れることができ、
農家側の出荷における〝棲み分け〟も可能。

ハローワークでは、コンテナ輸送が主流で、段ボール詰めや包装といった
コストが削減できる利点。
継続的な契約栽培を目指し、軌道に乗れば野菜の産地化や遊休農地解消
といった可能性も広がる。
錦山専務は、「スーパー向け、加工向けなど多様な出荷となれば、
農家側も安定的な経営に。温暖化の影響で、岩手で今までできなかった
種類の野菜栽培が可能。気仙に強い思い入れがあり、
年内にも実現できるよう前向きに考えてもらいたい」

http://www.tohkaishimpo.com/

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