(読売 8月4日)
博物館の「裏側」がのぞける体験イベントが人気。
「汚いところを掃除しているんだから、ウンチがくっついてるよ、
よく見てブラシでこすってね」
江戸川区自然動物園。
動物のふんやおしっこのにおいが漂う飼育棟で、
飼育係の指導を受けながら、区内の小学生十数人が
ヤギや羊、ウサギなどの小屋の掃除に。
今年19回目を迎えた、同園主催の「サマースクール」。
入場無料の同園は、年間約50万人も訪れる隠れた人気スポット、
区民対象のサマースクールも、応募倍率は3倍強。
内容は、掃除やエサやり、モルモットやウサギの抱っこ、
大きなヘビに触っての記念写真撮影、獣医師の仕事見学など
盛りだくさんで、2005年施行の外来生物法についての講義も。
飼育係の長坂拓也さん(44)は、
「学校では教えず、大人もあまり知らない、
動物園だから伝えられることをこの機会に」と意義を強調。
宇井智哉君(9)は、「ここにはよく来るけど、
知らない世界があるんだとわかった」
入沢昇園長(62)は、「飼育を体験することで、ペットなどを
大事にする気持ちが少しでも生まれてくれれば」
通常の展示ではわからない、裏側を見せるプログラムが増えてきた。
夏は、飼育体験やバックヤードツアー、夜の観察ツアーなど、
各地の動物園や水族館で数多く開かれている。
「あ~、キイロハギの色が昼間と変わってる」
横浜・八景島シーパラダイスのアクアリゾーツ。
「お泊まり親子学級」に参加した子どもが驚きの声。
水中に漂いながら眠るイルカ、立ったまま眠るペンギンなど、
夜ならではの生態を観察。
5万匹のイワシの群れが泳ぐ水槽「群れと輝きの魚たち」の前で就寝。
今年から、水槽の裏側からプールの底をのぞいたり、
エサの入った冷凍庫を見学したりするバックヤードツアーが加わった。
飼育係の小俣勇気さん(29)は、
「表から見えない水槽の裏側、飼育係の仕事ぶり、
昼と夜の生物の様子の違いを伝えたい」
25年にわたって水族館教育に取り組んできた
マリンワールド海の中道(福岡市)の高田浩二館長(55)は、
裏側を見る効用について、
「いかに生き物たちの命が守られているかを見ることにより、
命の大切さを学び、裏方として働く人たちの苦労を感じることができる」
マリンワールド海の中道は、「夜の水族館」を開催。
海遊館(大阪市)は、ジンベエザメへの餌やりを上から見学、
沖縄美ら海水族館(沖縄県本部町)は大水槽の水上観覧、
新江ノ島水族館(藤沢市)は「お泊まりナイトツアー」、
よこはま動物園ズーラシア(横浜市)は「ナイトズーラシア」を実施。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20090804-OYT8T00288.htm
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