2009年8月21日金曜日

細胞のがん化抑える遺伝子、善玉→悪玉に突然変異 仕組み制御できれば新薬も

(2009年8月18日 毎日新聞社)

細胞のがん化を抑えている遺伝子が突然変異し、
がんを引き起こす珍しい現象を、
小川誠司・東京大病院特任准教授(血液腫瘍学)らが発見。

現在の治療法は骨髄移植しかないが、
「善玉」から「悪玉」に変身する仕組みを制御すれば、
新薬の開発につながる可能性がある。

現象が見つかったのは、正常な血液が作られなくなる
骨髄異型性症候群
国内に7000~1万人の患者がいると推定、
進行すると白血病になる例も多い。

研究チームは、同症候群の患者222人の遺伝子を調べた結果、
11番染色体に異常がある患者群(17人)では、
遺伝子「C1CBL」が変異していることを突き止めた。

C1CBLは通常、がん細胞を含め細胞の増殖を抑制する働き。
変異したC1CBLを、マウスの細胞に組み込むと、
細胞の異常増殖を促すたんぱく質の働きが活発になって、
がんを引き起こした。

異常増殖の割合は、正常なC1CBLのない細胞ほど高く、
積極的に細胞増殖を促進する機能を獲得していることも判明。

小川さんは、「細胞増殖を促進するたんぱく質の働きを妨げる薬剤を
開発できれば、有効な治療薬になる可能性がある」
7月20日付の科学誌ネイチャー電子版に発表。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/8/18/105885/

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