(岩手日報 11月16日)
奥州市水沢区出身の江戸時代の蘭学者高野長英の
没後160年を記念するシンポジウム「高野長英を大いに語る」は、
奥州市水沢区の市文化会館で開かれた。
研究者、作家らがパネル討論、幕府の追っ手を逃れながら、
国と民衆の将来を憂い学問に命をささげた長英の情熱について。
実行委(委員長・相原正明市長)が主催、約200人が聴講。
平塚均高野長英顕彰会長の進行で、野村正雄元東大教授、
作家の高橋克彦さん、長英に関する著書がある千田捷熙さん、
佐久間賢市教委歴史遺産課長がパネル討論。
長崎遊学から幕政批判を展開するまでをテーマに、長英像を語った。
長英が師事したオランダ人医師シーボルトとの関係について、
高橋さんは「長英は一流の知識人で、シーボルトと同じ目で
日本を見ることができた」と指摘。
「シーボルトは、外国人として日本での行動が制限されていたが、
長英を『窓』に日本を知った」と紹介。
長英は、郷里水沢を捨て幕府に追われながらも、蘭学を追究。
千田さんは、「背景には、民を飢えや疫病から救いたいとの熱意。
西洋の知をかみ砕き、国難に対処したいという情熱があった」。
佐久間課長は、「郷里では、自分の知識を活用できそうにないと考えた」。
高橋さんは、「当時の時代と政治が長英を必要としなかった。
つらい時代だった。
今こそ長英のような見識と意志、行動力を備えた人が
求められているのではないか」
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20091116_11
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