2009年11月25日水曜日

体温調節で眠気を防ぐ「冷たい食事」「運動避ける」「怒らない」

(日経 11月14日)

大事な会議中についウトウトしてしまった人は多いのでは。
生理現象とはいえ、急に襲ってくる眠気は仕事の効率を妨げる。
眠気をうまくコントロールする手段はないか?

まず、次の質問を考えてみよう。
午後に重要な会議がある日の昼食。
残業続きで寝不足気味だけに、会議中に眠気を催すような
メニューは避けたい。
カレーうどん、ざるそばだったら、どちらを選んだ方がよいか?

スリープクリニック調布の遠藤拓郎院長は、
「カレーうどんは避けた方がよい」
同じめん類なのに何が違うのだろうか?

カレーうどんに限らず、温かい汁物は体温を一時的に上げる効果。
カレーに含まれる香辛料は、体温を高める働き。
人間は、体温が低下すると眠気を感じやすくなる。
人間の体には、体温を一定に保とうとする機能。
カレーうどんを食べて体温が上がれば、その後に体温は下がる。
会議の時間に、強い眠気が生じてしまう。

眠気を抑えるには、体温が急激に上昇する食事を避けた方がよい。
カレーうどんに限らず、チゲ鍋やトムヤムクンなども、
会議前には食べない方がよさそう。

体温に影響を与えるのは、食事だけではない。
オフィスの温度も重要な要因。
暖房が必要以上に利いていると、体温も上がり、眠気のもとに。
よく冷えた缶コーヒーを手のひらで包むなど、
体温を上げないようにする工夫。

直前に激しい運動をしてしまうのも、眠気を引き起こす。
待ち合わせの時間に遅れそうになり、駅からあわてて走った経験は
誰にでもあるだろう。
間に合ったと思って応接室のソファに座ったら、
眠気に襲われたことはないだろうか。
運動によって上がった体温が、元に戻るために起きる現象。

感情的になって部下をしかりつけた後も要注意。
怒ると、体温が上がりかねない。

午後の会議で舟をこがないようにするには、
(1)昼食で冷たいメニューを選ぶ、
(2)運動を避ける、
(3)怒らない——の3つがポイント。

眠気を抑えるには、日光の力を借りるのも手。
昼休みなど、近くの公園などに出かけて陽光を浴びると、
「体内のホルモンが働いて、頭がすっきりしやすくなる」
(横浜市のみなとみらいクリニックの田中俊一理事長)。

それでも、眠気を感じてしまった場合は?
田中さんは、「生理的な眠気への対処法は寝るしかない」。
いったん仕事の手を休めて仮眠を取ったほうが、
その後の仕事の効率は高まる。
仮眠の取りすぎには注意が必要。
「30分以上休むと、起きた後にも脳がなかなか目覚めない」。
仮眠を取る場合、最大でも15分にとどめた方がよさそう。

仕事中に襲う眠気は、夜の睡眠が十分でないことの表れ。
残業が相次ぎ、帰宅が深夜になることが多い
日本のビジネスパーソンの睡眠時間は、世界的に見ても短い。
フィリップスが、日米独など5カ国の管理職を対象に行った
睡眠調査で、「睡眠時間が6時間以下」と答えた人の比率が、
日本では55%、米国やドイツ(34%)に比べて圧倒的に多かった。

1日にどれくらい寝れば、十分な休息が得られるかは
個人によって差がある。
「休暇など、どれくらい寝れば眠気がなく起きられるか
確認するのがよい」(東京医科大学の井上雄一教授)

眠気の原因が単なる寝不足でなく、
睡眠時無呼吸症候群といった病気の場合も。
睡眠の質が悪いため、いくら寝ても昼間に眠くなってしまう。
「昼間の眠気があまりに続く場合、睡眠外来がある医院で
アドバイスをもらった方が安全」(田中さん)。

フィリップスの管理職を対象とした睡眠調査では、
睡眠不足による仕事への影響を危惧しながらも、
職場では相談しようとしない日本人管理職の特徴が。
睡眠不足による悪影響として、73%の日本人の管理職が「仕事」。
5カ国の平均でも「仕事」は61%、「家族関係」34%、「趣味」22%、
「友人関係」19%などへの回答も多い。
日本人管理職では、それぞれ17%、6%、7%しかなく、
仕事への影響を懸念する回答が突出。

睡眠不足について相談する対象は、日本人管理職では
夫婦以外にほとんど広がらない。
睡眠状態に関する話し相手として、ドイツでは「職場の同僚」43%、
米国では「上司」14%。
日本では同僚4%、上司はゼロ。

睡眠不足の仕事への影響について、職場での理解が進んでいない。
睡眠トラブルの陰に、景気低迷の影響も。
景気悪化による睡眠不足はあると思うかとの問いに、
日本の管理職は52%が「ある」。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/bizskill/biz091113.html

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