2009年11月22日日曜日

蘇寧電器の孫総裁「ヨドバシ、ビックに注目」

(日経 11月13日)

中国家電量販店最大手の蘇寧電器集団(南京市)が、
日中で攻勢をかけている。
日本では家電量販店、ラオックスの筆頭株主となり、
日本市場進出を果たした。
中国では傘下の上場企業、蘇寧電器が店舗を大幅に増やす計画。
日中の家電市場で着実に存在感を強くしている
孫為民総裁に、今後の戦略について聞いた。

——中国の家電市場は急拡大。今後の出店計画は?

「今後10年は年200店増やし、2020年に中国国内で
3000店を目指す。
中国の主要3000都市のうち、蘇寧の店があるのは300都市。
未出店の都市は、人口規模や所得が十分でなく、
まだ我々の物流拠点もカバーできないが、今後は広げる余地がある」

「中国以外では、今年筆頭株主になったラオックスに加え、
年末までに香港の企業とも資本提携する計画。
香港と日本を地盤に、世界での発展を考えたい

——ラオックスとの提携の進ちょくは?

ラオックスが、2年かけて赤字から脱け出すのが目標。
この2、3カ月、不採算店を閉め、組織も改めた。
中国で、ラオックス単独の店をつくる考えはないが、
蘇寧の既存店で日本の商品を売りたい。
今、中国市場に合う日本の商品を選んでいるところ」

「日本の商品を中国で売るだけでなく、
日本で家電や関連部品を設計し、中国で委託・加工する
自主企画(プライベートブランド=PB)の製品を開発、
日中で同時に売る考え」

——PBを扱う狙いは?

「中国でも、家電の販売競争は激しく、メーカーから同じものを
仕入れて競争をしても、利潤が上がらない。
PBならばコストも減らせるし、製品も差別化できる。
有名ブランドの特定型番を独占的に扱い、消費者に
受け入れられる価格で、粗利も高めに設定できる」

PBでは、日米の大手メーカーと協力する。
日本では、複数の大手企業とお互いの意向を確認。
ラオックスとの提携で、メーカー首脳陣との話し合いもスムーズ。
数年間は売上高の5~8%、将来は15~20%を目指す」

——世界の家電販売市場はどう変わると見るか?

成熟した先進国は、新しい市場を開拓する発展モデルを探る必要。
新興国の市場は、国内外から新しい投資を呼び込んで伸びる。
今の中国がまさにそう。
家電だけでなく、百貨店もスーパーも外国の企業が参入」

「中国の小売店は、展示などをメーカーに任せることが多かったが、
我々の新店は、商品選びから売り場づくりまで店の自主性を高めた。
日米の量販店に学んだ手法を取り入れた」

——ヤマダ電機が中国に出店する。

「中国市場はとても広く、全土をカバーするチェーンは少ない。
そこに参入するのは商機。
我々は、既に出店競争や、有力な取引先をどれだけ確保するか、
といった競争に直面。
ヤマダが来ようが来なかろうが、既につかんだ市場を
どれだけ今後も維持できるかに尽きる」

——日本の家電量販店で関心のあることは?

我々が注目するのは、ヤマダやコジマよりも
ヨドバシカメラやビックカメラの経営モデル。
研究すべきところが色々ある。
特にヨドバシは、世界中の家電量販業界で最も強みのある企業」

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/interview/int091111.html

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