(読売 11月14日)
年を取るにつれて耳が遠くなる「老人性難聴」は、
耳の奥の「内耳」にある感覚器の細胞が、
遺伝子の働きで死滅して起きることを、
東京大などがマウスの実験で明らか、米科学アカデミー紀要に発表。
抗酸化物質で遺伝子の働きを抑えると、発症しない。
哺乳類の耳の仕組みは共通し、人の難聴予防につながると期待。
染谷慎一・東大特任助教らは、
損傷を受けた細胞を自殺に導く、Bakという遺伝子に着目。
マウスのBakを働かないようにすると、人間の50歳に相当する
生後15か月でも、聴力がほとんど低下しないことを確認。
Bakの働きを抑えられるか調べるため、
17種類の抗酸化物質を餌に混ぜてマウスに与えたところ、
栄養補助食品(サプリメント)として市販されている
コエンザイムQ10など、3種類が難聴予防に効果。
人間の成人にとって、1日20ミリ・グラムにあたる量の
コエンザイムQ10を、生後4か月からマウスに与え続けると、
生後15か月で、同じ月齢のマウスが45デシベル以上の音しか
聞き取れないのに対し、12デシベルの小さい音を聞き取れる。
Proc Natl Acad Sci U S A. 2009 Nov 17;106(46):19432-7.
Age-related hearing loss in C57BL/6J mice is mediated by Bak-dependent mitochondrial apoptosis.
Someya S, Xu J, Kondo K, Ding D, Salvi RJ, Yamasoba T, Rabinovitch PS, Weindruch R, Leeuwenburgh C, Tanokura M, Prolla TA.
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20091114-OYT1T00926.htm
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