2009年11月22日日曜日

米で「禁煙ワクチン」の治験開始、抗体でニコチンを阻止

(CNN 11月10日)

米国で、たばこをやめたい人のための「禁煙ワクチン」が開発、
国立衛生研究所の薬物乱用研究所(NIDA)から
1000万ドル(約9億円)の助成を受け、
このほど最終段階の治験が始まった。

禁煙ワクチン「ニックバックス」を製造しているのは、
米医薬品メーカーのナビ・バイオファーマシューティカルズ。
たばこを吸って快感が得られるのは、脳がニコチンに刺激される。
ワクチンを投与すると、喫煙者の血中のニコチン分子に抗体が結合、
大きくなったニコチン分子は脳に到達できなくなる。

その結果、神経伝達物質のドーパミンが放出されなくなり、
快感を感じなくなるという仕組み。
脳に到達するニコチンの量が徐々に減れば、
たばこを吸いたいと思わなくなり、禁煙に成功する確率が高まる。

米国がん協会の統計によると、米国の喫煙者4400万人のうち、
70%がたばこをやめたいと考え、毎年約40%が禁煙に挑戦するが、
禁煙を続けられるのは4―7%止まり。

過去の臨床試験では、ニックバックスを利用した被験者の
30―35%が長期にわたる禁煙に成功、副作用はほとんどない。

今回の治験は、約1000人を対象、
効果や副作用を調べて一般的な療法と比較、
安全性に問題がないかどうかを検証。
結果は、2011年9月までに出る見通し、
これを受けて米食品医薬局(FDA)に承認を申請。

国立衛生研究所幹部のフランシス・コリンズ氏は、
ニコチン中毒による死者は、米国だけで年間50万人、
禁煙を成功させるための効果的な療法を見つけるのは、
極めて困難だった。
今回の抗ニコチンワクチンの治験で、
この問題の解決に向け、大きな希望が持てる」

http://www.cnn.co.jp/science/CNN200911100024.html

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