2009年11月28日土曜日

産婦人科医、論文が減少 勤務厳しく疲弊/研究費も削減 08年、ピークの半分以下

(2009年11月19日 毎日新聞社)

日本の産婦人科医が、国際的な学術誌に投稿し掲載される
論文数が減り続けていることが、
日本産科婦人科学会(日産婦)の調査。
医師不足による医療現場の疲弊に加え、
大学への公的研究費削減も背景。

医療の質の低下を懸念する日産婦は、
専門医の認定条件を見直し、研究業績を重視する方向で検討。

調査は、各国の研究者から引用される影響力の高い
31の英文学術誌を選び、国内在住の日本人研究者が
筆頭著者になっている論文の数を集計。

00年以降は毎年、それ以前は86年以降5年ごとに推移を見た。
86年は34本、91年には101本に急増。
その後も順調に増えたが、01年の224本をピークに減少に。
05年165本、06年130本と減り、08年は98本で
ピーク時の半分以下、91年の水準に戻った。
生殖補助医療分野の論文が増える一方、
ホルモンや婦人科の腫瘍などの減少が目立つ。

産婦人科は近年、医師確保が課題になるなど
厳しい労働環境にある。
医師が診療に追われ、論文のための症例分析や研究に
時間を割けなくなっている。

緊縮財政による研究費削減や、新しい研修医制度で
専門教育が軽視されているという指摘も。

こうした現状を受け、日産婦は専門医の認定要件に
論文執筆を義務付けるなど、研究力をより重視する検討に。

日産婦理事の井上正樹・金沢大教授(婦人科腫瘍学)は、
「医師が研究マインドを持たないと、医学の発展は望めない」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/11/19/111561/

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