(2009年11月19日 毎日新聞社)
日本の産婦人科医が、国際的な学術誌に投稿し掲載される
論文数が減り続けていることが、
日本産科婦人科学会(日産婦)の調査。
医師不足による医療現場の疲弊に加え、
大学への公的研究費削減も背景。
医療の質の低下を懸念する日産婦は、
専門医の認定条件を見直し、研究業績を重視する方向で検討。
調査は、各国の研究者から引用される影響力の高い
31の英文学術誌を選び、国内在住の日本人研究者が
筆頭著者になっている論文の数を集計。
00年以降は毎年、それ以前は86年以降5年ごとに推移を見た。
86年は34本、91年には101本に急増。
その後も順調に増えたが、01年の224本をピークに減少に。
05年165本、06年130本と減り、08年は98本で
ピーク時の半分以下、91年の水準に戻った。
生殖補助医療分野の論文が増える一方、
ホルモンや婦人科の腫瘍などの減少が目立つ。
産婦人科は近年、医師確保が課題になるなど
厳しい労働環境にある。
医師が診療に追われ、論文のための症例分析や研究に
時間を割けなくなっている。
緊縮財政による研究費削減や、新しい研修医制度で
専門教育が軽視されているという指摘も。
こうした現状を受け、日産婦は専門医の認定要件に
論文執筆を義務付けるなど、研究力をより重視する検討に。
日産婦理事の井上正樹・金沢大教授(婦人科腫瘍学)は、
「医師が研究マインドを持たないと、医学の発展は望めない」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/11/19/111561/
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