(読売 10月24日)
地域の人材を活用して、授業を進めている学校を訪ねた。
さいたま市浦和区の市立常盤北小学校で、
5年生が英語の授業を受けていた。
「みんなは何をしたい?」
けん玉やめんこ、お手玉などのカードを見せて、
英語で質問したのは、さいたま市の小学校英語活動
ボランティア講師(JAT)、水口智子さん(40)。
子どもたちは、やりたい遊びを同級生に英語で聞いて回り、
仲間を集めていた。
水口さんは教員ではなく、小学校の近くに住む主婦。
大学で英語を学び、予備校で英語を教えたことはあるが、
小学校の教壇に立ったことはなかった。
2007年、奈良市からさいたま市に引っ越し、
市の広報紙を見てJATに応募。
子どもが小学校に入学する年で、学校に行っている間だけでも
働ければというのが動機。
同市が、JATを導入したのは05年度。
市の広報紙で募集、現在は海外在住経験者や航空会社の
元客室乗務員、元英語教師など、市内に約160人が登録。
有償ボランティアとして小学校に派遣、
担任とチームティーチングを行っている。
水口さんに不安もあった。
予備校で英語講師として教えたのは文法中心だったが、
さいたま市は、「覚えるのではなく、身につける」(市教委)
というコミュニケーション重視の授業を目指していた。
JATの役割は、外国語指導助手(ALT)に代わるもので、
授業中はすべて英語で話すのが基本。
「チームティーチングがどんなものか、イメージがわかなかった」
のも不安を抱く理由。
授業が終わった後、担任との打ち合わせの時間を確保し、
たいていのことは理解できた。
担任に、子どもが授業を理解しているか反応を見てもらっていたが、
今は自分でも子どもの様子を確認しながら授業を進める。
市教委も、夏休みなどの時期を利用しJATを集めた研修を行ったり、
担当者が頻繁に授業を見に行ったりして様子を確認。
金沢市では、市内の模範的なベテラン教師や英語講師の授業を
録画して、サーバーに登録。
専用回線でつないだ小学校の職員室のパソコンで見られる。
教材の使い方や授業の進め方を見て、
子どもの興味や関心をどうやって引き出すかの参考に。
広島市でも、英語の授業に地域の人を採用して、
チームティーチングを実施。
特徴は普段の授業以外に、帯時間と呼ぶ
週3回15分間ずつの時間を設けていること。
市が取り上げた、6年生までに覚えておくべき500単語に、
イラストと文字を印刷した「絵カード」で教えていく。
授業では、500単語を中心にした文章や発音を覚えるため、
子どもが授業を理解しやすい。
様々な人材や工夫が英語の授業を支えている。
◆JAT(Japanese Assistant Teacher)
英語に堪能で、子どもに英語を教えた経験のある人を中心に採用。
授業時間に応じて時給を支払っている。
さいたま市以外では、英語や小学校の教員免許を持つ人などを
Japanese Teacher of English(JTE)として
採用する自治体も。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20091024-OYT8T00278.htm
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