2009年11月4日水曜日

サマータイム導入で地球を救え

(日経 2009-11-02)

政権が代わり、様々な分野で新しい提案や試みが展開。
変化は、時に不安につながることもあるが、
やはりここは期待したい。

新しくて古いテーマの1つに、「サマータイム」がある。
私がこのテーマに巡り会って、20年。
日の暮れるのが日に日に早くなることに、冬の訪れを実感。
欧米のサマータイム導入国でも冬時間に入って、
明るい時間帯が急速に短く、町並みまで暗くなっていく感じ。

欧米諸国でのサマータイム導入は、省エネルギーが主目的。
サマータイムが広がったのは、2度の石油危機の後。
わが国でも、サマータイム導入が検討されたが、
いまだに導入に至っていない。
サマータイムが省エネルギーにつながるのは、
明るい時間帯での活動時間が長くなることで、
照明用のエネルギー消費が純減する。

欧米でのヒアリングの経験では、サマータイムへの切り替え時、
導入目的である省エネルギーへの関心を高める情報発信もあり、
人々のライフスタイルを省エネ型に変化させるきっかけに。

地球温暖化ガス削減に向け、新たな中期目標の検討に
入っている今、人々のライフスタイルと温暖化ガス削減との
関係を結びつけて考えてもらうことは大変重要。
一般の人々にとっての中期目標は、日常感覚の外にある。

目標値が、どのレベルに設定されるにせよ、一部の部門や
産業界での努力だけで、達成される水準にはなりそうもない。
国民総動員態勢が求められている。

サマータイム導入の直接的な効果は、
明るい時間帯が1時間長くなることによる照明需要の省エネ効果、
午前中気温が低いことによるオフィスでの冷房需要の低下など、
省エネルギー効果は全国で原油換算91万kL、
CO2換算で151万トンの温室効果ガス削減効果。

これだけのCO2を、新エネルギーの主役である
太陽電池でまかなおうとすると、約370万キロワット、
約100万世帯の住宅に普及したのと同等の水準、
効果はきわめて大きい。

サマータイム制度の導入に伴うコストについての質問も多い。
電力メータや信号機と言って、ハードウェアの改修コストと、
官民での時間を制御するソフトウエアの改修コストを
合わせて約1000億円程度がかかると推計。

太陽電池の大規模導入には、安く見積もっても2兆円
(太陽電池の導入コスト、54万円/キロワット)がかかり、
サマータイムのコスト効果は1ケタ高い。

サマータイム制度の導入に当たり、様々な調整と検討が必要。
今から始めても、再来年の春以降の導入が最短。
新しい政権での新しい試みに期待。

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