2009年11月2日月曜日

日本の大学が一流と呼ばれるには?

(日経 2009-10-30)

英教育専門誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション」が、
恒例の「世界大学ランキング」(2009年版)を発表。
04年から続き、以前ほど話題にのぼらなくなったが、
国内大学の「国際性」に関する評価の低さが目立つ。
ランキングの上位進出には、組織的な経営によって
国際化を目指す必要がある。

タイムズのランキング1位は、昨年と同様、米ハーバード大学。
2位に英ケンブリッジ大学、3位に米エール大学。
日本勢をみると、最上位が東京大学の22位。
昨年は19位、英エディンバラ大学やスイスの連邦工科大学に
追い抜かれ、順位を3つ落とした。

東大のほかでは、京都大学(25位)や大阪大学(43位)、
東京工業大学(55位)など主要大学が名を連ね、
100位以内に6大学が入った。
06年版ランキングでは、100位以内に3大学しか入らず、
東大に続く大学が健闘している結果。

このランキング作成では、研究と教育の力、就職、国際性をもとに
6項目を指標、論文の被引用件数など公開されているデータを
極力使い、公正さを保とうとしている。
世界各地で、関係者を対象に説明会を開き、
学術データ販売に力を入れる大手のエルゼビアが活動を支援。

日本の上位大学をみると、研究に関する評価は高いが、
国際性で大きく見劣りする。
ランキングに入っている他のアジアの大学と比較しても明確。
24位の香港大学、30位のシンガポール国立大学などは、
東大や京大をはるかに上回る国際性を発揮し、
他の項目の低い評価を補っている。

国際性では、外国人教員比率と外国人学生比率が調査対象。
日本の大学が、この項目で評価を伸ばすなら、
世界から優れた教官を雇い入れ、留学生を増やせば、
順位を上げられる。

大きな問題は、研究以外の場面で、日本社会がどれだけ
外国人を受け入れる態勢を整えているか。
北陸先端科学技術大学院大学の下田達也教授は、
「日本は、研究者を家族連れで受け入れる仕組みが整っていない」

北陸先端大は、教官と学生の約20%が外国人と高い比率。
子女の教育をまかなえる学校がない問題や、
外国人を受け入れる住居が少ない課題が常に付きまとう。
大学は、研究者の日常生活にまで踏み込んだ支援はせず、
受け入れた教官の家族がボランティアで生活を
手助けすることが多い。
セイコーエプソン出身の下田教授の場合もそうで、
「会社の時は組織的に対応できたが、大学は違った」と痛感。

新しい知を生み出す大学は、国籍を問わず
世界の頭脳と交わっていかないと、魅力的な存在でなくなる。
研究で世界に認められる大学になろうとするなら、
組織的に国際化を推進できるようにし、
周辺地域をも巻き込んで活動できる存在になってほしい。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/techno/tec091029.html

0 件のコメント: