2009年11月6日金曜日

NFL選手の認知症リスク、米議会で論議 元選手も証言

(CNN 10月29日)

アメリカンフットボールの選手は、試合中に頭を強く打つ
ことにより認知症などを発症するリスクが高まるのか、
米議会の委員会で、米プロフットボールリーグ(NFL)の
元選手や医療関係者が出席して公聴会が開かれた。

この問題は、NFL選手の待遇などを定めた
包括的労働協約の期限切れが2010年に迫り、
更新に向けた交渉が行われる中で浮上。
脳に損傷を負った元選手に対する球団側の対応には、
これまで不満の声が。

公聴会では、NFLコミッショナーのロジャー・グッデル氏、
ピッツバーグ・スティーラーズの元ランニングバック、
メリル・ホッジ氏らが証言。
ホッジ氏は、1994年に何度か脳震盪を起こし、
文字を読むことができなくなり、うつ病にかかり、
自分の家族も分からなくなったことがあると打ち明けた。

グッデル氏は、自分の任期中、年金の増額や認知症を発症した
元選手の治療費支給といった措置を講じてきたと説明。
バッカニアーズの元オーナー、ゲイ・カルバーハウス氏は、
「選手たちは、控え選手に交替させられてしまうことを恐れ、
チームドクターに脳震盪のことを打ち明けたりはしない」と告発、
試合に中立的な立場の神経科医に立ち会ってもらい、
両チームの選手を診察してもらうことを対策として提案。

NFL選手の脳震盪と後遺症との関係について、
ノースカロライナ大学の2003年の調査によると、
何度も脳震盪を起こした選手はそうでない人に比べ、
重いうつ病にかかる率が3倍になることが判明。
2005年、脳震盪を起こした選手は認知障害になる確率が
5倍に高まり、引退した選手がアルツハイマー病にかかる確率は
一般の人に比べて40%も高い。

ミシガン大学の調査では、50歳を超す元NFL選手の6%が
認知症と診断。
これは、米国人平均の5倍。

NFL側は、調査方法に問題があると主張、
現在独自の調査を進めているところだと説明。
過去に、NFLの委託で調査を実施したミシガン大学の研究者は、
調査の結果、元選手の96%は認知障害も認知症も
発症していないことが分かったと証言。

http://www.cnn.co.jp/sports/CNN200910290031.html

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