2009年11月2日月曜日

長寿命の人工ひざ関節製品化へ

(サイエンスポータル 2009年10月21日)

人工ひざ関節の部材原料に、ビタミンEを加えることで、
耐久性を大幅に高めることに、ナカシマメディカル社が成功、

既に医療機器としての製造販売承認も厚生労働省から得て、
来年早々に製品化される見通し。

人工ひざ関節は、富田直秀・京都大学大学院工学研究科教授の
研究成果を基に、科学技術振興機構がナカシマメディカルに
約1億4,000万円の開発費を出し、製品化を図っていた。
人工ひざ関節は、可動部材が滑り動くことを繰り返すうちに摩耗し、
摩耗が進むと層状剥離と呼ばれる損壊に至る問題。

新しく製品化される人工ひざ関節は、
材料の超高分子量ポリエチレン粉末に、抗酸化剤である
ビタミンEを混ぜて成型するのが特徴。
超高分子量ポリエチレンだけからなる従来製品に比べ、
摩耗量を3分の2に抑えることが疲労摩耗試験で確認。

高齢社会の到来で、変形性関節症や関節リューマチ患者は
増え続け、人工ひざ関節を組み込む手術を受ける症例数は
年間15万件。
人工関節部材の損壊による置換手術の件数も増加。

臨床治験で安全性の確認も済んでおり、長寿命型の
人工ひざ関節により、手術適応の低年齢化や重症患者の
QOL向上にも貢献できる。

http://scienceportal.jp/news/daily/0910/0910211.html

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