2010年2月2日火曜日

和文化を知る(2)礼儀作法 児童に根づく

(読売 1月20日)

礼儀作法を柱に、広く伝統文化を教えている。

22人の児童が、畳に正座する。
背筋は伸び、両手はひざに。
黙想し、呼吸を整え、心を落ち着かせる。
畳に手をついて、対戦相手に深々と頭を下げた後、
百人一首が始まった。

宮城県石巻市の市立石巻小学校が、
実践研究に取り組む伝統文化教育。
教員に交ざり、百人一首をテーマにした2年生の研究授業を見学。

子どもたちは、前回の授業で、上の句と下の句のつながりを
語呂合わせで覚える方法を学習。
各自、自分なりの覚え方を考えてきて、この日の対戦に臨んだ。
担任が上の句を読み上げただけで、
すかさず札に手を伸ばす児童も。

実践研究は、2005年度、国立教育政策研究所の
「伝統文化を尊重する教育」の研究校に指定されてスタート。
学校が特別に設けた時間で、各学年とも年間10時間の
「かしわタイム」を中心に行われている。
百人一首のほか、礼儀作法、伝承踊り、折り紙・風呂敷、
茶道など六つのテーマを設けている。

礼儀作法に関しては、日頃から繰り返し指導。
その成果は、随所に見て取れた。
研究授業でも、挙手する際は指先までぴんと伸ばし、
発言する時は、両足のかかとをつけて「気をつけ」の姿勢で話す。
休み時間に廊下に出た時も、すれ違う全員が、立ち止まって
両手をももにやり、こちらの目を見ながら、
「こんにちは」とお辞儀をしてくれた。

礼儀作法の指導では、研究開始初年度に作った
「石巻小礼儀作法指南書」と題した教員用マニュアルが、
大きな武器に。
もともと知識のある教員は皆無。
マナーのDVDや本などを参考にし、
研究担当の教員が協力して作った。

イラスト付きで、礼や呼吸法、ドアの開け閉めの作法などを記し、
相手への気遣いなど、それぞれの「型」に込められた
意味も説いてある。
指南書のおかげで、異動してきた教員もすぐに対応できる。

「騒ぐ児童はなく、スムーズに授業を進められるので、
勉強がはかどる」と福原俊幸校長(59)。

古典の暗唱や音楽の和太鼓、総合学習のわらじ作り、
クラブ活動の生け花、武道など、
広く伝統文化の要素を取り入れている。
給食の時間には、はしの持ち方なども指導。

給食の後、全校児童で一斉に掃除に取りかかった。
トイレやげた箱など、手分けしてどんどんきれいにしていく様子は、
見ていて小気味よい。
「昔から、掃除や後始末を大事にする学校だった」と、
同小の卒業生でもある福原校長は目を細める。

着任して7年になる女性教員は、
「以前からまじめな子の多い学校だったが、
伝統文化に取り組むようになり、態度はさらに良くなった。
登下校時の町の人へのあいさつも定着してきている」

伝統文化の力が、子どもたちをまっすぐに育てる。

◆学校が特別に設けた時間

学習指導要領に定められた各教科・活動の年間標準時数を
確保した上で、学校は余剰時数を補充的学習や
独自の教育活動にあてることができる。
正式名称ではないが、これを学校裁量の時間と呼ぶ。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100120-OYT8T00287.htm

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