2010年2月2日火曜日

新しい波/332 ゴルフ世界戦略/3

(毎日 1月23日)

日本ツアー史上最年少賞金王をかけ、
石川遼と池田勇太が争っていた昨年11月。
世界のゴルフ界の目は、隣国の中国に注がれた。
世界選手権シリーズに格上げされたHSBC選手権が上海で、
国・地域別対抗戦ワールドカップが広東省・深センで開かれた。

HSBC選手権には石川、池田も出場。
世界ランキング1位のタイガー・ウッズ、
2位のフィル・ミケルソン(ともに米国)ら、
冠にふさわしい参加者が集まった。

関係者を驚かせたのは、米プロゴルフ協会の
ティム・フィンチェム・コミッショナーが姿を見せたこと。
狙いは、最終日の記者会見で明らかに。
「中国ゴルフ協会から将来、中国での米ツアー開催を打診された。
その可能性に向け、我々は十分に協議する用意がある」。
事実上、米ツアーの中国進出を示唆。

中国で、最初にゴルフコースができた84年以来、
コースは500余りに増えたが、競技人口は約30万人。
約2400コースを抱え、約1000万人がプレーする
日本とは格段の差がある。
ワールドカップの会場、深セン・ミッションヒルズGCでは、
既に18年までの開催が決定。
日本に先駆けて世界選手権開催を実現し、急速に追い上げる。

その後、日本に立ち寄ったフィンチェム氏は、
日本ゴルフツアー機構(JGTO)の小泉直会長と会食。
米ツアーを日本で開催する可能性も示唆するなど、
アジアでのさらなる市場拡大を模索。
既に中国、マレーシア、韓国に進出した欧州ツアーも、
日本の昨季最終戦「日本シリーズJT杯」に、
グループ・マーケティング部長のスコット・ケリー氏を派遣。
日本との連携を強めたい意向。

「リーマン・ショック」以降、米ツアーを支えた自動車、金融、
IT通信事業などの巨大スポンサーが相次いで撤退。
ツアー維持のため、米国がアジアを
新たなターゲットにとらえ始めた。
アジアで中心的役割を果たしてきた日本が、
(米側との連携の)旗振り役にならなければ」。
小泉会長は、現状をチャンスととらえる。

http://mainichi.jp/enta/sports/21century/news/20100123ddm035050057000c.html

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