(岩手日報 1月25日)
宮古市の製材・木材加工業川井林業(沢田令社長)は、
国のCO2国内排出量取引の試行制度「国内クレジット制度」
への参加手続きを進めている。
雫石町の同社雫石工場は、木材製品の乾燥にボイラーを使用。
燃料は、製造時に出る木質資源を利用する資源循環型の施設、
化石燃料のボイラーに比べ、CO2を年間約3千トン削減。
参加が認証されると、削減量は県内最大。
川井林業雫石工場は、2008年5月に稼働。
主に宮古市川井の第三セクター、ウッティかわいが生産する
集成材の基になる木の板(ラミナ)を製造。
工場新設時に導入したボイラーは、製造時に出る
木の皮(バーク)を燃料とし、主にラミナの乾燥に利用。
雫石工場では、月に1万~1万2千立方メートルの
スギやカラマツからラミナを製造、その5~8%に当たる
500~960立方メートルがバークとなる。
通常バークは、水分を多く含み、燃えにくいため廃棄されるが、
工場稼働時から資源循環型の工場にすることを目的に、
木質資源を燃料とする大型ボイラーを導入。
バークのほか、おがくずは小岩井農場をはじめ、
畜産農家などに販売、県内でも先進的な取り組みを実践。
川井林業は現在、年間約3千トンの削減量の買い手との
交渉を行っている。
交渉が成立すると、排出削減事業計画を策定し、
国内クレジット認証委員会に申請。
沢田社長(62)は、「本県は、資源の宝庫。
化石燃料から変更する企業が増え、国のCO2削減目標の
達成につながればと思う」
クレジットの「相場」は、1トン当たり千円前後、
同社はCO2の排出権取引で得た金は、
植林や間伐など森林整備に還元する方針。
県林業振興課によると、計画が認証されると、
県内では最大の削減量で、全国的にも大きい量。
同課の木村経三林業担当課長は、
「川井林業には、県内企業の先導的な役割を担ってほしい」
国内クレジット制度とは 中小企業などが大企業から
資金や技術の提供を受けるなど、CO2排出削減に取り組み、
その削減量を売却できる制度。
大企業などが購入したCO2排出権は、
自社の削減量としてカウント。
08年4月以降に導入したボイラーや太陽光発電設備などが対象。
09年5月の申請分から購入した排出権は転売できる。
09年12月末現在、県内では5団体6件が
排出削減事業計画を申請。
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100125_6
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