2010年3月27日土曜日

新しい波/335 女子サッカーの育成/2

(毎日 3月13日)

日本の女子サッカー界が抱える大きな課題は、
中学年代の競技者数の落ち込みだ。

東京都江東区が、09年春から興味深い試みを始めた。
区内の拠点校に「女子サッカー部」を置き、
別の中学校に通っている生徒でも参加できる仕組みの導入。
少子化の中、部活動の新たなあり方として注目。

江東区では、もともと小学校対抗の大会があり、
女子サッカーのニーズがあった。
どの中学も、1校では人数が集まらず、指導者や
グラウンド不足など、同様の悩みを持っていた。

拠点校となったのは、区立第四砂町中学校。
週2回練習が行われ、日体大女子サッカー部の部員で、
教職課程を履修する部員が4人1組で指導に。

設立の中心になった区教委事務局の小林秀樹さんら
職員も練習に立ち会い、生徒の出欠は各校の副校長が
連携して連絡を取り合うなど、周囲も協力して環境を整える。
現在9校30人の生徒が参加。

バスを乗り継いで練習に参加する深川第五中1年の
大高萌子さんは、「初心者も経験者もあまり差がないので、
中学で始めても大丈夫という雰囲気がある。
部活に出合えて、今までよりも楽しく過ごせている」

第四砂町中1年の渡辺心さんは、
「今はソフトボール部と掛け持ちをしているが、
本当は毎日サッカーをやっていたい。
目標はサッカーの強い高校に入って、日体大に入ること」

指導する学生たちも、「初めは人見知りしていたが、
だんだんと取り組む姿勢が真剣になってきた」、
練習中に、ルールや個人練習の方法などを
聞いてくる選手も増えてきた。

大学でサッカーを始めた学生もおり、4年生の伊藤唯さんは、
「日々の練習を乗り越え、ぶつかり合ってまとまっていくことを感じた。
そういう部活動ならではのことを知ってほしい」

飛び抜けた才能がなくても、サッカーを続けられる環境作り。
「拠点校システム」によって、その活路が見いだせるかもしれない。

http://mainichi.jp/enta/sports/21century/news/20100313ddm035050076000c.html

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