(2010年3月11日 共同通信社)
鳩山政権の成長戦略で、けん引役として期待される
「医療・介護・健康関連産業」
日本のお家芸、"ものづくり"での強みをいかして、
各種ロボットの実用化は進んでいるが、
メディカルツーリズム(医療観光)は、周辺国に比べ出遅れ。
動かなくなった脚を動かし、もう一度歩きたい-。
病気などで歩行が難しくなった人の願いをかなえる
装着型ロボットが、千葉市幕張で、
2300人の特別養護老人ホーム施設長らに披露。
紹介されたのは、大和ハウス工業(大阪市)がリース販売する
装着型ロボット「HAL」。
脚を動かそうとすると、皮膚につけたセンサーが脳から出る
生体電位信号を読み取り、モーターで動かしてくれる。
ちょうど「脚を持ち上げてくれるような感じ」に。
両脚で月額22万円からで、すでに病院など17施設が導入。
「自分の意思で脚を動かすことで、神経系全体に刺激を与え、
リハビリ効果を大きくする可能性がある」
(山海嘉之・筑波大大学院教授)ため、医療面での期待も高い。
日本ロボット工業会は、介護、福祉ロボットの市場規模を、
2030年に1兆4534億円と試算。
高齢化する世界市場も視野に入る。
大手企業では、パナソニックが昨年、ベッドから車いすに形を変える
介護支援ロボットを発表、薬剤師や看護師支援ロボット開発を進め、
トヨタ自動車も、10年代の早い時期に介護ロボットの販売開始を目指す。
「検査結果は問題ありませんが、少し体重が少ないですね」。
北里研究所病院。
人間ドックで、通訳を介して医師から説明を受けていたのは、
ロシア人のアンナ・バルスコワさん(27)。
バルスコワさんは、ロシアの旅行会社社員。
日本の経済産業省が始めた医療観光の実証事業に乗って、
視察で来日。
ドックの費用約8万円は全額自己負担だが、
「ロシアでは、人間ドックは診療科ごとで、数日かかる。
1日で全部済むのは快適」
事業に加わるJTB子会社の中野隆マーケット戦略部長は、
「検査で異常が見つかったときはどうするか、といった問題点を
整理したうえで、ツアー商品の販売に乗り出したい」
この分野では、日本は後発国。
先行するタイは、既に年間約120万人の患者を海外から受け入れ、
観光収入全体の10%を得ている。
シンガポールや韓国も、積極的に取り組んでおり、競争は激しい。
真野俊樹・多摩大教授(医療経営学)は、
「世界に比べ、日本の医療水準は高いと思われているが、
もう一概にはそういえない。
他国にない強みや明確な戦略を打ち出せなければ、成功は難しい」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/3/11/117218/
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