2010年4月9日金曜日

「土ごと発酵」効果あり 紫波町、ブドウの品質向上

(岩手日報 4月5日)

紫波町は、農地に木質チップを敷いて耕す「土ごと発酵」の
実証試験を町内で実施し、ブドウの生育が
大幅に改善することを確認。

木質チップを土壌と一緒に発酵させ、土の団粒化を進めることで
土中のミネラルなどが果樹に吸収されやすく、果実の品質が向上。
町は今後、農家への普及を進める考えで、
間伐材や流木を農地に循環させる試みとして注目。

土ごと発酵は、同町遠山の第三セクター紫波フルーツパークで、
2008年秋からワイン用、生食用ブドウ畑計200アールで実施。
木質チップを厚さ10cmほど敷設し、データを収集。
同町が国交省との契約で受け入れているダムの流木を、
チップ化して使用。

昨年秋、収穫したワイン用ブドウの7~10月のデータは、
糖度や果粒径など4項目で、土ごと発酵をしない農地よりも
高品質な果実の数値が得られた。
果樹の節間が短く太くなり、葉が増えて樹勢が増した。

農地の表層を浅く耕し、有機物のチップと土壌を発酵させることで、
微生物が排出するアミノ酸やミネラルで、土壌の団粒化が進む。
ブドウ畑は粘土質の土壌が多いが、水や空気が通りやすく、
ブドウの生育に必要なミネラルなどが吸収されやすくなる。

農地で直接土をつくることで、大量の堆肥を運び入れるより
省力化が図られる。
樹勢が安定し、栽培作業の労力も軽減。

10年度、紫波フルーツパークの委託事業として、
ブドウのほか、地元生産者団体と連携しキュウリでも実験。
ワイン用ブドウ生産者2戸も、土ごと発酵に取り組み始め、
町はさらに農家への普及を目指す方針。

町農林課の中田久敏課長は、
「輸送経費がかかり、林地に放置されている間伐材を
活用できる可能性も。
地元で出た有機資源を地元で使い、循環を進めたい」

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100405_13

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