2010年4月10日土曜日

全国学力テスト(1)朝一番 45分集中学習

(読売 3月31日)

4年生の教室。
男子全員が立ち、壁に張られた漢字表を読み上げる。
続いて、女子も負けじと大声で読む。

国語が終わると、算数の1けたの掛け算、社会の都道府県名と続く。
福岡県糸島市立引津小学校の、朝の「集中タイム」。

1時間目の45分間を、15分ずつ3教科のモジュール学習とし、
全学年が行う。
朝一番に頭を目覚めさせ、集中力を高める。
朝の集中学習を導入した07年度以降、学力は大きく向上。
きっかけは、全国学力テスト(学テ)。

学テが復活した07年度の成績は、6年生の国語、算数とも、
全国平均点を大幅に下回った。
特に、基礎を見る「A問題」の成績が低く、教員にショックを与えた。

「基礎学力は伸ばせる。伸びを実感すれば、学習意欲も高まるはず」
と横山英明校長(当時)は考えたが、あいさつできない子や、
授業中に立ち歩く子、乱暴な子の生活指導に追われる毎日。

手がかりが、学テで子どもに生活習慣を尋ねる「質問紙調査」に。
同小児童は、就寝・起床時間とも平均より遅く、睡眠も短いなど、
夜更かしが学習意欲を低下させている傾向。
全国の結果では、早寝・早起きの方が成績が良い。
朝の集中学習で基礎を学ぶという方法は、こうして生まれた。

学テの成績を示し、保護者に生活の見直しを呼び掛けた。
火曜1時間目の前にある15分間の時間を使い、
百ます計算などを始めた。
成績と時間を記録し、全員に「賞カード」を与えた。
児童が、朝から集中し、自ら学ぶ意欲を見せ始めた。

翌08年度、集中学習を1時間目すべてに拡大。
その結果、08、09年度の学テでは全国平均並みになり、
算数Aは全国平均を上回った。

集中タイムの終了後、達成感に満ちた笑顔を見せる子どもたち。
「みんな、今日は大きく口が開いてたね」と
担任の駒谷栄子教諭(45)。
教師も児童も、自信を取り戻し始めた。

4月20日、4回目が実施される全国学力テスト。
政権交代で、今回から全員調査が抽出調査になるなど
見直しが進む。
過去3回の結果は、どう生かされているのか。
学力向上に効果を上げる取り組みを紹介。

◆全国学力テスト

2007年、43年ぶりに復活。
小6、中3の国語と算数・数学で、A問題(基礎)とB問題(応用)。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100331-OYT8T00550.htm

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