(読売 3月31日)
4年生の教室。
男子全員が立ち、壁に張られた漢字表を読み上げる。
続いて、女子も負けじと大声で読む。
国語が終わると、算数の1けたの掛け算、社会の都道府県名と続く。
福岡県糸島市立引津小学校の、朝の「集中タイム」。
1時間目の45分間を、15分ずつ3教科のモジュール学習とし、
全学年が行う。
朝一番に頭を目覚めさせ、集中力を高める。
朝の集中学習を導入した07年度以降、学力は大きく向上。
きっかけは、全国学力テスト(学テ)。
学テが復活した07年度の成績は、6年生の国語、算数とも、
全国平均点を大幅に下回った。
特に、基礎を見る「A問題」の成績が低く、教員にショックを与えた。
「基礎学力は伸ばせる。伸びを実感すれば、学習意欲も高まるはず」
と横山英明校長(当時)は考えたが、あいさつできない子や、
授業中に立ち歩く子、乱暴な子の生活指導に追われる毎日。
手がかりが、学テで子どもに生活習慣を尋ねる「質問紙調査」に。
同小児童は、就寝・起床時間とも平均より遅く、睡眠も短いなど、
夜更かしが学習意欲を低下させている傾向。
全国の結果では、早寝・早起きの方が成績が良い。
朝の集中学習で基礎を学ぶという方法は、こうして生まれた。
学テの成績を示し、保護者に生活の見直しを呼び掛けた。
火曜1時間目の前にある15分間の時間を使い、
百ます計算などを始めた。
成績と時間を記録し、全員に「賞カード」を与えた。
児童が、朝から集中し、自ら学ぶ意欲を見せ始めた。
翌08年度、集中学習を1時間目すべてに拡大。
その結果、08、09年度の学テでは全国平均並みになり、
算数Aは全国平均を上回った。
集中タイムの終了後、達成感に満ちた笑顔を見せる子どもたち。
「みんな、今日は大きく口が開いてたね」と
担任の駒谷栄子教諭(45)。
教師も児童も、自信を取り戻し始めた。
4月20日、4回目が実施される全国学力テスト。
政権交代で、今回から全員調査が抽出調査になるなど
見直しが進む。
過去3回の結果は、どう生かされているのか。
学力向上に効果を上げる取り組みを紹介。
◆全国学力テスト
2007年、43年ぶりに復活。
小6、中3の国語と算数・数学で、A問題(基礎)とB問題(応用)。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100331-OYT8T00550.htm
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