2010年4月9日金曜日

満足できない試験結果 日本に柔軟対応求める インドネシア看護協会のアキル・ヤニ会長

(2010年4月2日 共同通信社)

日本との経済連携協定(EPA)に基づき、来日した
インドネシア人看護師候補者ら3人が、国家試験に合格。
EPA来日組で初の合格という快挙、
合格率はわずか約1%にすぎず、「狭き門」への批判は強い。

インドネシア看護協会のヤニ会長に、
「送り出す側」の声を聞いた。

-ついに合格者が出た。

「本当にうれしい。
しかし合格率が低すぎて、とても満足できない。
全員、インドネシアでは非常に優秀な看護師なのに、
言葉の壁で試験に落ちた

-どうすれば良いか?

「試験で、漢字に振り仮名を付けたり、試験も3回ではなく、
4回に増やすなどの配慮をしてほしい。
1回目の試験は、日本語学習などの研修期間が終わってから
わずか半年後。
日本が本当に外国人看護師を必要とするなら、
日本政府は、合格者を増やすよう柔軟に対応すべき

-インドネシアでの反応は?

試験が難し過ぎて、日本へ行こうという意欲が低下しかねない。
他国へ行く方がいいと考えてしまう。
他国では、英語で試験が受けられるので、日本より合格は簡単」

-インドネシア人看護師はどんな国で働いているのか?

「クウェートとオランダでは約700人、カタールで約200人。
アラブ首長国連邦やシンガポール、マレーシア、香港、
米国などでも働いている。
給与は、日本とほぼ同じで滞在延長も簡単」

-では、なぜ日本行きの希望者がいるのか?

日本だけ、インドネシアと国家間の看護師派遣プログラムを実施。
ほかの国は、民間同士の契約、通常、渡航前に多額の金銭を
業者らに支払わないといけない。
日本の場合、言語学習や渡航費などすべて日本側が
支払ってくれる点が魅力」

-言葉以外の問題は?

文化の違い。
インドネシア人は陽気でユーモア好きだが、日本では仕事中、
笑わずまじめにしていないといけないので、ストレスを感じる。
大半がイスラム教徒で、豚肉は食べられないし、
仕事中でも祈りの時間が必要。
双方が、互いの文化・宗教を理解することで解決できると思う

◆アキル・ヤニ氏

インドネシア・パレンバン出身。
2000年、インドネシア看護協会の会長に就任。
インドネシア大教授。55歳。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/4/2/118431/

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