(2010年7月26日 読売新聞)
乳がん患者の遺伝子を調べることで、再発予防に効果があり、
価格も低い薬を選ぶ手法を、中村祐輔・東京大教授らが開発。
四国がんセンターなど、四国の5医療機関で
実際の治療に応用して、有効性を検証する。
乳がん手術後の再発予防には、
タモキシフェンとアロマターゼ阻害剤という2タイプの薬が使われる。
従来の研究では、タモキシフェンを使う患者の20~30%が、
5年以内に再発し、阻害剤より効果がやや劣る。
研究チームは、タモキシフェンの効果に、患者で差があることに着目。
徳島県で、1986~2007年に乳がん手術を受け、
タモキシフェンだけを投与された282人を調べた。
タモキシフェンは体内で分解され、がんに効く成分ができる。
遺伝子の違いによって、分解酵素の働きが弱い患者は、
働きが「正常」、「やや弱い」患者に比べ、
再発の危険性が2・2~9・5倍高かった。
酵素の働きが弱いのは、患者の2割。
研究チームは、「残りの8割にタモキシフェンを投与すれば、
再発率が10%未満に抑えられ、阻害剤よりも効果が高い」と予測。
タモキシフェンは、後発医薬品が発売され、
価格が阻害剤の10分の1程度のものもあり、
この手法を使えば、年間110億円を節約できると試算。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/7/26/123290/
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