2010年8月3日火曜日

メタボ 腹囲、やはり無関係? 新潟の病院、男性でも裏づけ

(2010年7月20日 毎日新聞社)

メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の診断基準となる
血圧などの検査値の多くは、日本人男性の場合、
腹囲(腹部肥満の有無)に関係なく、体重が増えれば、
悪化する傾向が強いことが、
立川メディカルセンター(長岡市)の調査で分かった。

厚生労働省研究班の大規模調査で、
女性の腹囲と循環器疾患発症の関連性が低いとの
傾向も明らかになり、腹囲を必須とする
現在の特定健診のあり方も問われそう。
今月号の米糖尿病学会誌「ダイアベティス・ケア」。

調査は、同センターの人間ドックを08~09年に受診、
風邪などをひいていない男性1271人(平均年齢51・6歳)を対象。

メタボ診断基準の血圧、血糖値、中性脂肪、
HDL(善玉)コレステロールと、体重変化との関係を、
国内でメタボの主因と位置づける腹部肥満が
ある群とない群で、それぞれ分析した。

その結果、血圧と血糖値は、腹部肥満の有無に関係なく、
体重が増加すれば悪化した。
HDLコレステロールは、腹部肥満がない群だけが
体重増加によって悪化し、いずれも腹部肥満との関係は
見いだせなかった。
中性脂肪は、腹部肥満がある群で体重増加との関係があった。

世界では、メタボ診断基準作りの中心になってきた
国際糖尿病連合などが昨年、腹囲を必須とせず、
他の血液検査値などと同列に扱う統一基準を発表。
日本の診断基準は、腹囲が必須条件に。

小田栄司・同センターたちかわ総合健診センター長は、
「腹部肥満がなくても、体重が増えれば、
検査値が悪化することが分かった。
腹部肥満を必須条件に、生活指導を実施する現在の特定健診は
合理的とは言えず、早急に見直すべきだ」
…………………………………………………………………
◇特定健診の再検討必要

日本のメタボ診断基準が腹囲を必須とするのは、
腹部に蓄積する内臓脂肪が心筋梗塞などの循環器疾患を
引き起こす主因との考え方に基づいてきたからだ。

日本人の循環器疾患発症の傾向を調べた解析によると、
内臓脂肪の蓄積だけではなく、血糖値など一部の血液検査値の
悪化や食生活によっても危険性が高まる。
腹囲を必須とする現在の特定健診は、
やせていて循環器疾患の危険性のある人を見落とす
恐れがあると指摘。

男性は、40~50歳代の比較的若い世代で、
腹部肥満が増えており、現在の健診に意味がある。
今回の研究成果では、50歳前後の男性も腹部肥満の有無と
検査値悪化の明確な関係を見いだせなかった。

これらの調査結果は、内臓脂肪の蓄積が
循環器疾患の原因の一つにすぎないことを示し、
それ以外の要因についても等しくチェックする
健診体制の検討が求められることになりそうだ。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/7/20/123025/

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