2010年8月4日水曜日

ハンセン病療養所内の保育園を構想する東京都東村山市長の渡部尚さん

(2010年7月22日 共同通信社)

国立ハンセン病療養所・多磨全生園の所在地で、
2007年から市長を務める。

療養所入所者の間で、地域との共存を目指す
ハンセン病問題基本法の制定運動が高まったころ、
全生園の自治会から保育園の誘致を打診。

「子どもを生み育てることが許されなかった
入所者の皆さんと、未来を担う子どもたちとの交流が生まれる。
市内で200人以上に上る待機児童の解消にもつながる」
ぜひ進めたいと思った。

08年6月成立の同法(ハンセン病問題解決促進法)は、
09年4月に施行。

第12条は、療養所の土地を自治体が利用できるとするが、
「地代」が大きな障害。

土地貸与には、国有財産法が適用。
「当初の基準では、地代が1千万円にもなり、
保育園の経営が成り立たない」
市や自治会の働き掛けで、より低い額も提示されたが、
一段の引き下げを国に訴える。

全生園とのかかわりは、1991年、サラリーマンを経て
市議となってから。
「存在は知っていたが、それまで行ったことはなかった」
らい予防法の廃止など、人間の尊厳のために戦う
入所者の力強さに、感銘を受けた。

全国に13カ所ある国立療養所の所在市町がつくる
連絡協議会の会長として、各園と自治体による
将来構想づくりも見守る。

全生園自治会は、園の施設を史跡として残す
「人権の森」を計画。

ハンセン病患者の強制隔離という人権侵害の歴史を伝える
趣旨に賛同する。
東京都中野区生まれの東村山市育ち。48歳。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/7/22/123143/

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