2010年8月1日日曜日

インタビュー・環境戦略を語る:千趣会・行待裕弘社長

(毎日 7月19日)

通信販売大手の千趣会(大阪市)は、

「人と環境、地球との未来を考える」を憲章に掲げ、
カタログに利用される紙の環境負荷の軽減や、
環境対応商品の販売などに積極的に取り組んでいる。
同社の行待裕弘社長に環境戦略を聞いた。

--環境方針については?

創業以来、「企業植物論」という考え方を基本に。
企業の成長を植物の生育にたとえ、良好な環境を整えることで、
成長するという考え。
無計画な農薬や過剰な肥料の散布で、目先の収穫に走らない
計画が大事だと考えている。

耕す根気と地道な手入れが大切であることを念頭に、
企業努力をしている。
海外植林事業や、環境配慮型商品の販売などを掲げている。

--どんな取り組みを実践しているか?

◆紙のカタログを、年間1億冊以上出している埋め合わせもあり、
93年からオーストラリアで伐採できる紙をつくるための植林を始めた。
現在、消費量に対して45%ぐらいの紙を作れるようになった。
05年から、ラオスでも植林を始めた。
物流拠点の集約により、自社倉庫間の移動を減らす努力も始めた。

--最近、力を入れている環境商品は。

◆約550点の環境商品があるが、オーガニックコットンに力を入れ、
「sumutoco」というインテリア雑貨カタログの夏号から掲載。

オーガニックコットン製品が増えれば、産地のインドに、
環境に優しい無農薬の畑が増えるという好循環も生まれる。
カタログ削減にもつながるインターネット販売を積極的に推進、
iPad向けアプリの実験も始めた。

今後、「クールビズ」のような環境にやさしい生活提案に協力し、
環境に良い暮らしについても考えていく。

--御社の環境関連商品や、取り組みに対する反応は?

◆最近、関心が高い。
呼びかけることで、我々の企業姿勢への理解も徐々に広がっている。
苦しい時でも、「マタニティー」や「ママ&ベビー」のようなカタログは成長。
その中で、オーガニックコットンと同様のものを提案することで、
消費者の賛同を得ているところもある。

--MOTTAINAIキャンペーンにも参加している。

MOTTAINAIキャンペーンとは、06年「ベルメゾンの森キャンペーン」
から付き合っている。

現在も、ペットボトルをたくさん消費する生活を改めようと提案する
マイボトルプロジェクトにも、キャンペーングッズの開発などで
協力させていただいた。

当社の強みは、お客様とコミュニケーションするカタログやネットの
メディアを持ち、商品開発やデザインによって環境に優しい生活を
提案できること。
お客様も時代の流れを察知して、呼びかけると乗ってきて
いただける時代になっている。
==============
◇ゆきまち・やすひろ

京都市立堀川高校卒。55年、千趣会を設立し、取締役に就任。
00年4月から現職。京都府出身。78歳。

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2010/07/19/20100719ddm008020034000c.html

0 件のコメント: